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こわい顔


 そこにいたオタキは、顔を真っ赤にして、ぎゅうと口をとじ、《奥様》を『心のそこから』にらみつけていた。




  ・・・こわい・・・



 ひとが、ひとをあんな顔でみるなんて、オウメははじめてしった。




 《奥様》はそれをうけてもなお、わらったままで、「ねえ、オタキ 」と、ひどくやさしい声でよび、《奥様》をまだにらんだままのその女中の手から取りあげた袋をオウメにわたすと、こんどは、さっと顔をむけ、わらいをけした。

「 あたしはね、あんたなんかこの店にいらないと思ってるよ。 こんなひろくもない家のことなんかオウメだけでできるし、あたしの世話をしてくれるのも、オウメだけだ。 ああ、・・・《旦那》さまはもちろん、あたしのことを、隅から隅まで、世話してくれてるけどねえ」


 さいごまた、うすくわらった女は、今夜あたり《旦那様》がまたあたしの世話をしたいとねだってくるかもねえ、とこまったように首をかたむけてみせた。




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