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怖がり屋さんは失せもの探偵  作者: Suzugranpa
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第55話 帰国報告

 梢がスタジオ・ジュリに帰国報告に来ていた。と言うより、未来みくの現状報告と言った方がいいかも知れない。勿論、未来にガイドされながら訪れたパリの話も興味深いものであったが、それ以上に、未来の高校生活と美容室内でのお転婆ぶりが楽しかった。未来みく本来の『愛されキャラ』全開だ。梢に託した『1さちコイン』がその中で一役ひとやく(にな)いそうなのも嬉しかった。千沙も仲間に入れて貰えた気がしたからだ。


 しかしその次の話はもっと興味深いものだった。梢は椅子に深く腰掛け直した。


「パリとは全然関係ないんだけど、若葉さん、ちゃんと働き始めたの」

「え? じゃあ、明佳ちゃんは?」

「保育園よ。ダメな時は高岸さんちでクロスケとお仕事」

「あは。まだお仕事なんだ」

「そう。でも明佳ちゃんもネコの名前はクロスケってちゃんと覚えたのよ。『パパがふたりはむずかしい』って唸ってね」

「あはは、可愛い!」


 千沙は微笑ましく思った。上手くいっているようで本当に良かった。


「若葉さんのお仕事って?」


 樹里も聞く。若葉は店のお客さまでもあるから情報は仕入れておかないといけない。


「レディースファッションにアクセとか雑貨とか置いてあるお店です」

「ほう、若いから務まる仕事だな」

「若葉さんも美人さんですもんね。梢さんもそうだし、なんであたしの周りには綺麗な人ばっかりなんだろ」

「千沙、ここの店長の名前が出ていないが」

「あ? ああ、勿論です。身近過ぎて忘れてました」

「なんだ、その取って付けたような言い訳。んで神田、改め桐原若葉さんはそこで活躍中ってこと?」


 梢は肯いた。


「そうなんですけど、仕事の話の中で若葉さんが言ってたんですけどね、お店の前のショーウィンドウにサンタさんを飾ったそうなの。もうすぐクリスマスだからって」


 ふむふむ。ってか、スタジオ・ジュリにはその気配が全くないことに千沙は気づいた。いいのかな。


「サンタさんってプレゼントの袋を背負ってるじゃないですか。それがある日消えちゃったって」

「え。誰かに丸ごとプレゼントしちゃった…とか?」

「そう考えればいいんだけど、そうは思えないよね。そこの店長さんは、お客さまの可能性もあるけど、ショーウィンドウの中には入れないから、関係者か本物の泥棒だって言ってるそうです。でも袋だけが無くなるってどうよって若葉さんも思ってて、千沙ちゃんに探してもらえるかなって」


「ほう、千沙、ご指名だな。期末テスト終わったんだろ」

「あ、はい。一応。返却まだなんで、冬休みの補習はまだ判らないです」

「大丈夫じゃないの? あの中間テストの成績なら」


 樹里は絹と異なり、千沙の学業にも目配りしている。


「じゃ、早速行ってらっしゃい。不安なら第一段階をクリアした彼氏にも手伝ってもらえ」


 梢がパチパチ瞬きしている。


「だ、第一段階クリア?」

「昔はAとか言ったんだけどな」

「ちょ、ちょっと樹里さん、人前で言わないで下さい、恥ずかしい」

「そうか? 自然な事だと思うけどな。この頃は順番も違うみたいで、いきなりエッチから始まって、高校生の3分の1がもうしちゃってるって。どーなってんだか…」


「ま、マジですか?」


 赤くなる千沙の前で、梢もまた唖然とした。


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