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怖がり屋さんは失せもの探偵  作者: Suzugranpa
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第41話 激白

「付き合いは高校の同級生から。キスは高2の夏休み、一緒に花火に行った時。エッチは大学生になってからよ。結構真面(まじめ)でしょ?」


 小巻はちらっと千沙を見る。千沙は赤面している。こ、こんな話、メモできない…。え、エッチって。


「彼の仕事は言っちゃいけないの。でも公務員よ。で、依頼書に書いたと思うけど、もう私も25歳だからさ、先のことも考えるわけ。判るでしょ? 今、20代で結婚する女子って4割くらいなんだってよ。だから早い方だけどさ、やっぱ30越えて結婚すると出産とか育児とかハンディがあるじゃない。体力勝負だからね」


 千沙に経験はないものの、明佳ちゃんを考えると、ある程度は理解できる。


「だから小出しに言ったわけ。将来考えないとねーとか、子どもはやっぱ二人かなーとか。彼は転勤があるからさ、ま、それは私がついて行くって言ったのよ。殊勝でしょ? 私って」

「は、はい…」


 よく判らないが一応千沙は肯く。


「そう言うのを言い始めて1年くらいかな。突然彼が言ったのよ。別れようって」


 小巻の目が見開き、瞳孔に炎が燃え上がる。千沙には未体験ゾーンだ。


「おかしいでしょ。他に好きな女が出来たの? って聞いてもノーなのよ。好きなのはお前だって。じゃあなんでよって聞いても、はっきり言わないの。結婚しても俺はお前を幸せにしてやれないって。おかしいじゃん! 私は彼と結婚することが幸せなのよ。結婚できないから幸せにしてやれないって話なら判るよ。でも結婚しても幸せになれないって矛盾でしょ!何考えてんだか判んないのよ!」


 小巻の口調はヒートアップして行き、周囲の客も小巻をチラ見している。千沙には如何とも出来ない状態だ。仕方なく千沙は話の切れ目にそっと言ってみた。


「あ、あの、その彼氏さんは他に何か結婚できない事情を持っていらっしゃるってことはないでしょうか」

「事情? そんなの無いわよ。もう9年間付き合ってるのよ、私が知らないことなんてない!」

「でも、お仕事中とかは会えないんですよね。そう言うところで何か事情が」


 バシッ!


 小巻がテーブルを叩き腰を上げた。千沙はビクッと背が伸び、周囲の客も驚いて小巻を眺める。


「あんたに何が判るのよ! 高校生でしょ? 働いた事も無いんでしょ? 只のパシリじゃんか!」


 小巻の目は三角になり、千沙の背は椅子の背に貼り付いた。


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