6 僧侶カトレア
「――よくもシオンを」
ティアナは頭に血が上るのを自覚した。
怒りが、力を高めていくのを感じる。
今なら最大威力の斬撃スキルを放てる。
そんな予感がした。
「【稲妻――」
その予感のままにティアナは剣を振りかぶる。
「えっ、何……?」
アーニャは戸惑ったように後ずさった。
「力が急激に膨れ上がっていく……!?」
「――乱舞斬り】!」
ティアナが斬撃を繰り出す。
単発の【稲妻斬り】と違い、こちらは連撃だ。
「くっ……きゃぁぁぁぁぁっ!?」
氷の盾を作り出して防御するも、さすがにすべての斬撃は防ぎきれなかったのか、盾を砕かれてアーニャは大きく吹き飛ばされた。
「ええい、撤退だ!」
悔しげにうなり、アーニャは去っていった。
「大丈夫、シオン……?」
ティアナは倒れたシオンを抱き起こした。
「なんとか……」
言いながら、シオンの顔から血の気が引いていた。
「無茶するんだから……」
ティアナはため息をついた。
こんな風に誰かに命懸けでかばわれたのは初めてだった。
才能のない弱小の下級騎士だとばかり思っていたが――。
……その後、ティアナはシオンを救護所まで連れていった。
肩を貸しながら歩いたので、体が密着する体勢になる。
不覚にも少しドキドキしてしまった。
「あの、治療のために派遣されたのですが……こちらにシオン・エルフィードさんという方はいらっしゃいますか?」
一人の女僧侶が近づいてきた。
「あ、こっちの男の子よ」
ティアナが手招きする。
金髪の美しい少女僧侶だった。
「わたくしはカトレアと申します」
「あたしはティアナよ」
「まあ、あの聖騎士ティアナ様? 魔王軍との戦いで数々の功績を立てられたとか」
カトレアがキラキラした目で彼女を見つめた。
「まあ、それほどでも――あるけど、ふふふ」
ティアナは得意になって胸を張る。
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