5 激闘、ティアナVSアーニャ2
「あたしたちは魔族を討つために来た。今さら『戦う気はありません』なんて通用すると思う?」
言うなり、ティアナは突進した。
「【稲妻斬り】!」
その名の通り雷光のごとき光速の斬撃を繰り出すティアナ。
「向かってくるなら、あたしも殺す気で相手をするからね~。【氷の盾】」
が、その一撃はアーニャが生み出した【氷の盾】によって弾き返される。
「氷属性魔法の使い手か! だけど――」
相手は魔法剣士のようだ。
ならば距離を開けず、あくまでも剣の間合いで戦うことで、相手に攻撃魔法を使わせない。
「はああああああああああっ!」
ティアナは連撃を繰り出した。
「へえ、人間にしてはかなりやるね~」
「魔族なんかに負けないっ!」
ティアナが攻勢に出る。
アーニャは防戦一方だ。
ざんっ!
そして、ついにティアナの一撃がアーニャを両断した。
「や、やった……!」
ティアナがニヤリと笑う。
と、
「はい、残念こっちでした~!」
突然、背後に気配が生まれた。
「っ!?」
驚いて振り返ると、そこにはアーニャの姿がある。
「今あなたが斬ったのは、あたしが作った氷像よ」
「しまった――」
「終わりね」
アーニャが朗らかに笑いながら剣を振るう。
反応が間に合わない――。
ティアナは表情をこわばらせた。
と、
「危ない、ティアナ!」
衝撃波と彼女の間に誰かが割って入った。
「きゃっ……!?」
突き飛ばされて倒れるティアナ。
「ぐあ……っ」
そして、割って入った人間はアーニャの衝撃波をまともに食らった。
「シオン!?」
どうやら彼が身を挺してティアナを助けてくれたようだ。
「ど、どうして――」
「君が無事で……はあ、はあ……よ、よかった……」
真っ青な顔でうめくシオン。
「その代わり、あなたが……」
ティアナは悲痛な顔で彼を見つめた。
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