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2 ティアナとシオン


「ま、参りました……」


 騎士団の訓練で、その下級騎士と試合をしたティアナは数秒で彼の剣を叩き落とした。


「弱っ」


 思わず本音が口に漏れる。


「あなた名前は? ここまで弱い騎士には初めて会ったわ」

「シオンといいます……」


 弱々しく立ち上がった少年は、ティアナより一つ二つ年下だろうか。


 線の細い美少年、といった感じで、面食いの彼女は思わず惹きつけられた。


「シオン・エルフィードです……」


 完敗したためか、彼――シオンはうなだれていた。


「ふうん。あたしはティアナ・ハイラシア……あなた、パワーもスピードも問題外ね。本当に騎士? ってくらいに弱いんだけど。はっきり言って才能ないよ」

「……ですよね。よく言われます。シオンに剣の才能はない、って」


 シオンがうなだれた。


「諦めて騎士団辞めたら? あなたにはもっと向いてる仕事があると思う」


 ティアナはぴしゃりと言った。


 同情や優しさを見せても仕方がない。


 騎士の仕事場は戦場である。


 弱いというのは、それだけで罪なのだ。


 才能がない者は、ここを立ち去るべきなのだ。


「でも俺にも……譲れない理由があるんです」

「譲れない理由?」


 ティアナは鼻を鳴らした。


「だから何? 気持ち一つで強くなれたら、誰も苦労しない」

「なってみせます。俺は、この気持ち一つで――」


 シオンが剣を構える。


「あの人みたいになりたいから……!」

「あの人?」


 おそらく、彼にとって目標とするべき者がいるのだろう。


「……ま、いっか。特別にもう一本だけ付き合ってあげる」

「ありがとうございます!」


 シオンが嬉しそうに一礼した。


「応えてくださったあなたのためにも、全身全霊をぶつけます……っ!」


 その瞬間。


 こちらを見つめる彼の瞳に、ティアナは一瞬呼吸を忘れて見とれた。


(やだ、けっこうタイプかも……)


 こんな場面だというのに、我知らず胸がときめくのを感じていた。

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