1 聖騎士ティアナの追憶
「あたしたちは勇者殺しと王女殺し――二つの未遂罪を抱えてる。これをなんとか挽回しなければ、いずれは断罪される」
ティアナは他の三人と話していた。
大聖女カトレアも、弓聖イングリットも、極魔導師ユーフェミアも――それぞれの表情はこわばっている。
勇者シオンを【自爆】させ、魔王ともども葬った直後、彼女たちは英雄となった。
振り返れば、あのときがティアナの人生の絶頂期だったかもしれない。
自分は他人とは違う。
必ず選ばれた人間として、世界中から認められる。
幼少のころからそう思い、実際にその思いが報われた瞬間――。
だが、そこから彼女を取り巻く潮流は大きく変わり、今では大罪人としての扱いを受けている。
(どうして、こんな風になってしまったのよ……)
ティアナは唇をかみしめた。
(こんなはずじゃなかったのに……)
悔しさと後悔が胸の中で交じり合い、同時に彼女の中に去来する思いがあった。
それはティアナがこれまで過ごしてきた人生の記憶と想いだ――。
ティアナ・ハイラシアは幼少のころより天才剣士と誉れ高い少女だった。
八歳にして早くも王国騎士団に史上最年少での入団が許され、そこでも頭角を現していき、わずか十二歳でこれまた史上最年少での隊長に任命された。
さらに一年。
三つの戦争の平定に貢献し、ドラゴンやフェニックスなど最上位のモンスターを何頭も討伐し――『聖騎士』の称号を受けた。
美しき天才少女、聖騎士ティアナ。
その人気は留まるところを知らず数々の男がティアナに迫ってきた。
何人かの男と浮き名を流したが、結局彼女を満足させられる男はいなかった。
――下級騎士の一人であるシオンと出会ったのは、そんなときだった。
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