17 俺の答え
後書きに【大切なお知らせ】があります!
「だ、だが、お前は魔族になろうとしている。やはり看過できん……」
天使が俺をにらんだ。
「たとえ滅ぼされるとも、我は女神のためにお前を糾弾する。滅ぼす……!」
「俺は確かに魔族になることを目指している。けど、それは妻である魔王ヴィラルヅォードと寄り添うためだ」
俺は天使を見つめた。
「魔王と共に平和のために添い遂げる――そのためには人間の寿命は短すぎる。だから俺は魔族になるんだ」
「……平和を目指すための行動だ、と?」
「そうだ。それも女神に伝えてほしいんだ」
俺は力を込めて言った。
「俺を処罰するというなら受けて立つ――でも、それは俺の気持ちや行動理由を聞いたうえでも遅くないはずだ」
「女神リゼルのご判断を仰げ、と。そういうことだな?」
「ああ」
天使の問いにうなずく俺。
「どうかな?」
「――承知した」
短い沈黙の末、天使はうなずいた。
「どのみち我にお前を止める力はない。ここで無為に、お前に殺されるくらいなら――いったん報告のために退かせてもらう」
と、天使。
「ただし――お前の言葉に嘘偽りがあった場合、容赦はせんぞ。そのときは我の命を懸けて、今度こそお前を殺す」
「嘘は言わないさ」
俺は微笑んだ。
「ファリアレイダ、お前もだ。シオンの言葉が偽りであれば、お前を破壊する」
「シオンは嘘は言わない」
ファリアが力を込めて言った。
「私は相棒を信じている。信じるに足る男だ、シオンは」
「――ふん」
天使は小さく鼻を鳴らし、
「見届けさせてもらう」
俺たちに背を向け、飛び去っていった。
「……ふう」
天使が去り、俺は一息をついた。
「これからどうするのだ、シオン」
「ん。とりあえず最初の目的通り、進んでいくよ」
俺はファリアに言った。
「魔族になる」
「……そうか」
「あ、それと」
俺はファリアを見つめる。
「俺のことを信じてくれて、嬉しかった」
「何を今さら」
ファリアが視線を逸らす。
「相棒を信じるのは当たり前だ」
お、こいつ照れてるな。
「じゃあ、行こうか」
【大切なお知らせ】
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