16 天使戦、決着
後書きに【大切なお知らせ】があります!
「くっ、これは――」
「俺の仲間に――元仲間に剣の達人がいた。聖騎士と呼ばれる女が」
天使の長剣は、俺の聖剣の刃を滑るようにして斬撃の方向がズレていく。
「この技は、彼女に教わった」
相手の力を受け止めるのではなく、相手の力を利用し、方向を変えてずらす――いなしの極み。
「ぐおっ……!?」
天使の斬撃が完全に狙いを外れ、地面にたたきつけられた。
爆弾でも炸裂したかのように剣が触れた周囲が吹き飛ぶ。
天使は剣を振り切った状態のまま、動きが止まっていた。
いわゆる『攻撃直後の硬直状態』だ。
「ここだ!」
俺はその硬直を逃さず、第二撃を放った。
天使の方は動きが止まっている。
絶対の必殺攻撃を持っているゆえに、それを外されたときに生じた隙――。
俺にとっては千載一遇の、好機。
「ああああああああっ……!」
じゃきんっ。
俺は天使の喉元に聖剣を突きつけた。
「このまま帰ってくれ。命までは取らない」
「こ、殺さないのか……!?」
天使は驚いたように俺を見ていた。
「お前は俺に聖剣を与えてくれた女神リゼルの使いだろう。本来、戦う理由なんてないんだ」
俺は天使を見つめた。
「敵対しようとも思わない。そもそも魔王の目的は人間界の侵略じゃないし、神に歯向かうことでもない」
「……天界や人間界への敵意はない、と?」
「そうだ。そのことを女神にも伝えてほしい」
俺は天使に言った。
「魔王の夫として、これは魔界としての公的な声明だ」
ヴィラに無断で悪いが、早めに手を打っておかないと、リゼル配下の天使たちが魔界を襲いかねない。
本来、結界に覆われているはずの魔界に、天使があっさり侵入していることに対し、俺は危機感を覚えていた。
【大切なお知らせ】
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