12 天使の実力2
後書きに【大切なお知らせ】があります!
「くっ……」
俺はその場から大きく横っ飛びした。
聖剣によって俺の身体能力は大きく上がっている。
それを活かした大ジャンプで、衝撃波の効果範囲から脱出する。
「空中では自在に動けまい」
声とともに、天使が俺のすぐ眼前まで飛んできた。
確かに、俺は空中では自由に動けない。
空中を飛行する魔法なら使えるけど、こんな一瞬では発動できない。
対して天使は自前の翼があるから、空中でも自由自在に動くことができる――。
「衝撃波を撃ち、お前は自分の攻撃では相殺できず、ジャンプで避ける――すべて読み通り。甘いな」
天使がニヤリと笑った。
「ちいっ……」
俺は聖剣を構えるが、奴の攻撃の方が速い。
「ぐあっ……!」
繰り出された斬撃を防ぎきれず、俺は左肩から胸までを切り裂かれ、吹っ飛ばされた。
「はあっ、はあっ、はあっ……」
血まみれになって横たわる俺。
強い――。
今の、わずかな立ち合いだけで分かる。
天使は、強い。
「どうした? もう怖気づいたか」
天使はニヤニヤ笑ったまま、俺を見つめている。
追撃してこない。
俺を恐怖させ、いたぶって楽しむつもりだろうか。
「言っておくが、我はまだ本気ではないぞ。神敵であるお前を簡単に殺しはせん。徹底的に恐怖させ、絶望させた後に殺す――」
「……天使のくせに随分と残酷なんだな」
「我は人間の味方だ。魔族に対しては苛烈に接する。それだけだ」
と、天使。
「魔族……か」
もはや奴は俺を完全に『人間ではなく魔族』として見なしているようだ。
「さあ、次はどうする? まだ向かってくるか? それとも逃げるか? あるいは命乞いするか? くくく……好きな行動を選べ」
天使はまだ笑っている。
ふと、俺の中でピンと閃くことがあった。
「……時間稼ぎか」
「何?」
「さっきの攻防で、お前が追撃してくれば、俺は対応できなかった。多分殺されていただろう。だけどお前はそうしなかった――」
もちろん、俺なんていつでも殺せる、という自信から来る行動かもしれない。
けれど、どうも違和感がある。
あいつは――たぶん『連続攻撃』ができないんだ。
なら、そこに勝機がある……!
【大切なお知らせ】
書籍版が4/25発売予定です。今までの僕の書籍化作品と違い、今回はウェブ版から内容が大幅に変更され、新エピソード満載です! とはいえ、基本コンセプトの勇者シオンと魔王ヴィラがイチャラブする部分などはそのまま……というかラブ度300パーセント増しくらいになっているので、ぜひよろしくお願いします~!
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