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8 門番4

後書きに【大切なお知らせ】があります!


「ナタリアさん……」


 俺は唇をかみしめた。


 何もできなかった。


 ただ見ていることしかできないなんて、拷問だ。


 ただ、それは子どものころの俺も同じだろう。


 守ってもらうだけの、か弱い存在だった――あのときの俺は。


 だから。


 子どものころに味わった経験を、記憶を、今ふたたび鮮明に思い出せた。


「なるほど。これがお前のルーツか」


 その声とともに、目の前の景色が消失した。


 もとのダンジョン内だ。


 目の前には天使が腕組みをして立っていた。


「魔族を憎み、他者のために剣を振るう――勇者シオンはこうして形作られたわけだ」

「……黙れよ」


 俺は不快感をあらわに天使をにらんだ。


「お前にとって魔族は憎い相手だろう? なのに、なぜ魔王に味方をする? なぜ魔王の夫になったのだ、勇者シオンよ」


 天使が俺を糾弾した。


「お前に聖剣を授けた我が主――戦女神リゼルは大層お嘆きであるぞ」

「っ……!」


 俺は思わず言葉を失った。


 戦女神リゼル。


 その名の通り、戦いを司る女神であり、俺に聖剣ファリアレイダを授けた存在だ。


「……女神様は、今の俺のことをご存じなのか?」

「当然であろう」


 天使が傲然と言い放った。


「他の神々がお前の抹殺を提案する中、リゼル様はそれを必死でかばったのだ。『私が見出した勇者が、いつまでも魔族に与するわけがない。もう少しだけ見守ってほしい』と」


 天使が告げる。


「だが、その一方でもし勇者シオンが完全に魔族に与するなら――たとえば『己を魔族に変えようとする』なら、もはや完全な裏切り者。そのときは始末せよ、と」

「くっ……」


 つまりこのダンジョンに俺が入ったことで、女神リゼルの抹殺指令が発動してしまったということか……!?


「――やはり、掃討命令が」


 俺の隣でファリアがうめいた。


「ファリア……?」

「こんな場所に天使が降臨して妙だとは思ったのだ。どうやら戦女神リゼルは本当に君を殺すつもりらしい」

「女神が、俺を――」


 慄然とする。


 リゼルは俺に聖剣を、そして勇者としての力を与えてくれた存在だ。


 けれど、それは裏を返せば、勇者としての力は女神の一存でどうにでもなる――例えば、俺から取り上げることだってできる。


 その可能性を考え、俺は戦慄する。


「俺は、どうすれば……」

【大切なお知らせ】

書籍版が4/25発売予定です。今までの僕の書籍化作品と違い、今回はウェブ版から内容が大幅に変更され、新エピソード満載です! とはいえ、基本コンセプトの勇者シオンと魔王ヴィラがイチャラブする部分などはそのまま……というかラブ度300パーセント増しくらいになっているので、ぜひよろしくお願いします~!

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