5 門番1
後書きに【大切なお知らせ】があります!
しばらく進むと扉が見えてきた。
「……止まれ、シオン」
と、聖剣から声がする。
「ファリア?」
「警戒しておけ」
聖剣の状態でファリアがこんな警告をしてくるなんて珍しい。
「何かいるのか?」
俺には何も見えない。
「どこかにモンスターが潜んでいるとか?」
「違う」
聖剣が告げる。
「潜んでいるのはモンスターではない」
「えっ」
「……天使だ」
ファリアの表情が険しい。
「……まさか女神リゼルが、シオンに掃討命令を……? まさか……いや、あり得る……のか……」
と、ブツブツ言っている。
「てん……し……?」
どういう意味だ?
いや、それよりファリアはもっと気になることを言っていた。
『女神リゼルが、シオンに掃討命令を……?』
と。
「おい、女神が俺に――なんだって?」
俺は聞き返そうとしたとき、
ごうっ……!
前方から閃光と爆風が同時に押し寄せた。
「くっ……!」
俺は聖剣を構え、防御結界を作り出してそれを防いだ。
「今の攻撃は――」
俺は目を凝らした。
前方にまばゆい輝きがあふれ、集束していく。
身長五メートルほどの、人型に。
「我は女神リゼルの使い。第七位階の天使である」
光り輝く人型が告げた。
「汝、勇者シオン! なぜ汚らわしい魔族に生まれ変わろうとする!」
「なぜって……」
俺はそいつ――天使を見据えた。
「共に歩みたい女性がいるからだ。共に歩むためには人間ではなく、魔族としての寿命が必要なんだ」
俺は胸を張って答えた。
恥ずべきことじゃない、と信じているから。
「……貴様ぁ」
天使の仮面が変化する。
明らかな憤怒の表情が、その面に浮かんだ。
「たかが恋心のために勇者としての使命を放棄するか!」
「放棄なんてしない! 俺は今でも勇者としての使命は忘れていない。個の目に映るすべての命を守りたい。苦しんでいる者を救い、悲しんでいる者を救い、それに仇為す者を斬る――それが俺の、勇者としての道だ」
「魔族に与しながら何をぬかす!」
「陣営は変わっても――志は変わらない。俺は今でも――勇者シオンだ!」
天使に向かって、俺は叫んだ。
一点の曇りもない気持ちで、叫んだ――。
【大切なお知らせ】
書籍版が4/25発売予定です。今までの僕の書籍化作品と違い、今回はウェブ版から内容が大幅に変更され、新エピソード満載です! とはいえ、基本コンセプトの勇者シオンと魔王ヴィラがイチャラブする部分などはそのまま……というかラブ度300パーセント増しくらいになっているので、ぜひよろしくお願いします~!
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