2 ライゼルの話1
後書きに【大切なお知らせ】があります!
「なんだ、お前か」
城の地下牢に行くと、ライゼルが俺を憎々しげににらんだ。
まあ、彼からすれば、俺は父を討った上に自分を投獄した男だ。
好意的な態度なんて当然期待できない。
「君に聞きたいことがある」
俺はライゼルを見つめた。
どくん、どくん、と自然に心臓が高鳴ってくる。
我知らず緊張していた。
「聞きたいこと?」
ライゼルが眉を寄せる。
「人間が――」
俺はすうっと息を吸い、大きく吐き出した。
「魔族になる方法を」
「人間が魔族になる方法だと……!?」
ライゼルが目を見開いた。
さすがに驚いたようだ。
「なぜ、そんなことを聞く」
「まあ、色々と事情が……」
「……ふん」
ライゼルはますます眉を寄せ、
「仮にその方法を僕が知っているとして……お前に教えるメリットはなんだ」
「メリットか……うーん、メリット……」
確かにライゼルには特にメリットのない話だよな。
どうも交渉事は苦手で、ノープランでここに来てしまった。
「交渉下手すぎか、お前」
「いや、本当に苦手で……」
「まったく……戦いではあんなに冴えて、父上を討つほどの男が……情けない」
「はは、面目ない」
「……まあ、いい」
ライゼルはフンと鼻を鳴らした。
「教えてやる」
「本当か」
「僕にとってもメリットはある」
と、ライゼル。
「メリット?」
俺はキョトンとした。
「あるの?」
「いや、せっかくこっちから助け舟を出してやってるんだから、素直に乗っかれよ」
ライゼルが呆れた顔になる。
「どこまで交渉下手なんだ」
そこまで下手下手言わなくても……。
【大切なお知らせ】
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