1 魔族になる方法
少し間が開いてしまいましたが、ちょくちょく再開していきます~!
「暴風王が俺に『人間から魔族になれ』って言ってたんだ。ヴィラはその方法に心当たりはあるか?」
「……!」
ヴィラの表情が変わった。
「い、いえ、それは――」
「ヴィラ、知ってるなら教えて――」
「知らない!」
ヴィラはすごい剣幕だった。
「駄目よ……そんなこと考えちゃ……」
彼女の声は震えていた。
「ヴィラ……?」
ヴィラは去っていった。
俺は魔王城の中庭まで出ると、そこでファリアを呼び出した。
人目に付かない場所で話したかったのだ。
中庭は広大で、城の端近くの場所になると誰も通りかからない。
で、俺はさっそくファリアに話を切り出した。
「うーん……ヴィラは俺が魔族になることを反対してるのかな」
「彼女の反応からしてそうだろうな」
と、ファリア。
「……ところで、なぜ私を呼び出した? 戦闘時ではないだろう」
「なんとなく相談相手が欲しくて」
「そ、そうか」
ファリアの顔が少し赤くなった。
こいつ、照れたな。
「君は他人に頼らず、すべて自分で解決しようとする傾向があるからな。誰かに相談しようとする姿勢は、いい傾向だと思う」
「俺だってちょっとは変わったんだ。たぶん」
「君が勇者だったころは、もっと張り詰めていたからな」
「今思えば、本当の意味でティアナたちを信頼できてなかったのかもしれない」
俺はため息をついた。
「他人に頼るのが極端に下手で……だから、彼女たちも俺を信じてくれなかったのかもしれない。俺を――使い捨てようとしたのかもしれない」
ファリアは何も言わない。
ただ黙って俺の話を聞いてくれている。
それが今はありがたかった。
一人だと、きっと頭の中がぐちゃぐちゃになっていたはずだ。
けれど、ファリアが聞いてくれるおかげで、少しずつ気持ちが落ち着きを取り戻し、頭の中も整理されていく感じがした。
「情報が欲しいんだ。ヴィラは教えてくれないし、側近のアーニャも『ヴィラちゃんが教えないなら、あたしも教えないよ』って断られた」
「……ふむ。要は魔族の上層部なら知っているかもしれない、ということだろう?」
「ああ。ただ、聞く当てが――」
「彼はどうだ?」
ファリアが言った。
「彼?」
「ライゼルといったか。暴風王の子だ――」
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