3 土壇場
【お知らせ】
旧3,4話につきまして矛盾点や整合性について感想欄にて幾つも指摘をいただきました(ありがとうございます)。その辺りを解消するために書き直した新3話を投稿します。
また、混乱を避けるため旧3,4話は削除させていただきました<m(__)m>
どくん、どくん、どくん――。
胸の鼓動が異様に高まっている。
勇者パーティの四人は扉の前にいた。
背後は壁だ。
逃げ場はない――。
(今度こそ、殺される……!)
メリーアンは唇をかみしめた。
他に護身用のアイテムはいくつか持っているが、さすがにティアナたち四人が相手ではオモチャのようなものだ。
「まさか生きているとはね……」
ティアナが剣を抜く。
「まあ、いいわ。今度こそ確実に殺してあげる」
「仮死状態になるアイテムでも使ったのだと推測」
ユーフェミアが言った。
「確実に殺すことを提案……」
「当然ですわね」
「もっちろん」
うなずくカトレアと、弓を構えるイングリット。
「くっ……」
メリーアンは恐怖で震えあがった。
相手は魔王軍と渡り合った猛者たちである。
メリーアンに勝ち目はないし、逃げるのも無理だ。
「だ、誰か――」
脳裏に浮かんだのは。爽やかに微笑む凛々しい青年の姿。
彼女が恋してやまない勇者シオンの姿だった。
「シオン様……!」
「シオンでなくて悪いが、助けに来たぞ」
救いの声はティアナたちのさらに背後からだった。
「えっ……!?」
そこには彼女の兄――パーシバル王子が立っている。
「ティアナたちのことを怪しいとにらんでいたんだ。だから動向を探っていた」
剣を手に歩み寄る。
「ギリギリだったが――間に合ったな」
「パーシバル……そんな、どうして……!?」
ティアナが愕然とした顔をしている。
「今のやり取りでおおよそは理解した。お前たちがメリーアンを殺そうとして――いや、一度殺したんだな。だが『仮死の護符』で一命をとりとめたわけか」
パーシバルがティアナたちをにらむ。
「たぶん、そこまでがメリーアンの計略だったんだろう? 自分の身を犠牲にしてまで、ティアナたちを糾弾する――」
「ち、違います。誤解です、どうか――」
「黙れ」
パーシバルの言葉は静かだが強い怒気がこもっていた。
「世界を救った乙女たち……その本性は醜いものだな。俺はお前たちを許せない」
「お兄様――」
メリーアンが兄を見つめた。
安堵感が心の中に広がっていく。
本当に、心強い味方を得られた……と。
あとはティアナたちにどう対処するか、だ。
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