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2 【進化】への試練

 現れたのは全身に純白の鎧をまとった騎士だった。


 どこか神々しささえ漂うその騎士は顔にのっぺりした仮面をつけていて、表情をうかがい知ることはできない。


「お前は――」


 俺は聖剣を構えた。


「慌てるな。私は敵ではない」


 白騎士が言った。


「私はこのダンジョンの試練を司る者。『審判者』とでもいうべき存在だ」

「審判者……」

「人間よ、今一度――問おう。お前はこのダンジョンの試練を受け、進化を望む者か」

「ああ。俺は人間から魔族になって、大切な人と同じ時間を歩んでいきたい」


 俺は審判者にそう言った。


「覚悟はできている、と?」

「ああ」


 俺は即答した。


「――ふむ。その瞳に曇りなし」


 白騎士がうなずく。


「ならばお前に試練を授けよう。これを潜り抜けたとき――お前は人間から異なる種へと【進化】する」

「……魔族になる、ってことでいいのか?」

「正確には少し異なる」


 白騎士が言った。


「試練に打ち勝った場合、お前が得られるのは【進化】する権利だ」

「権利……」

「その場合、お前は人間より上位の種に【進化】するが、どの種族になるかはお前自身が選択することになる」


 と、白騎士。


「具体的には魔族の他に竜族や巨人族、天使などだな」

「……俺は魔族でいいよ」


 俺は白騎士に言った。


「相手と同じ種族になりたいんだ」

「お前の言う『大切な人』とやらも魔族なのか」

「ああ」


 うなずく俺。


「分かった。では試練を始めようか」


 すらり、と白騎士が剣を抜く。


 俺は反射的に体をこわばらせた。


 試練って白騎士と戦うことなんだろうか?


「ぬん!」


 白騎士が剣を振り下ろす。


 その一撃は地面に叩きつけられ、


 ボウッ!


 青白い炎がそこから吹き上がった。


「さあ、この炎に体を焼かれるがよい」


 告げる白騎士。


「耐えることができれば、お前の体は他の種族に【進化】する。耐えられなければお前は一片の肉片も、魂のひとかけらも残さず消滅する」

「……!」


 俺はゴクリと息を飲んで、眼前の炎を見つめた。


 消滅か、【進化】への道か。


 この試練の先に、どちらかの答えが待っている――。

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