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帰宅

 少し暗くなったのを見計らって誰にも気づかれないように、宿の裏口から侵入してヒロは自分の部屋に戻った。


 改めて鏡を見て髪飾りをつけている自分の顔に驚いた。それは部屋を出る時よりもさらに少女の姿であった。アクセサリー、一つでここまで変わるとは恐るべしとヒロは一人で納得している。

 髪飾りを外して引き出しにしまい、紙で紅と頬紅を拭き取り髪を手で乱してから後ろで纏めた。そして服を脱ぎ布で胸の膨らみが目立たないように縛る。

 女物の服を少し丁寧に片付けると、男物のいつもの服に着替えた。そして大きく深呼吸をしてから下に下りる。

 一階ではオリオンやカルディア、そしてアウラ達が夕食を食べている。


「いつの間に帰ったの?今日一日中何処に行ってたのよ」カルディアは何故か不満そうに食って掛かる。特に約束を交わした覚えもないので怒られる筋合いは無いとヒロは思った。


「一度、アテナイに戻ろうと思うのだが、君達はどうする?」オリオンが口を開いた。彼が一緒に行こうと言ってくれない事にヒロは少し不満を感じた。


「オリオンが来いというのなら、俺達は一緒に着いていくよ……」ヒロの口調はなぜかぶっきらぼうな感じであった。


「ちょ、ちゃっと、ヒロ……、どうしたのよ?あはははは……オリオン様、ヒロはちょっと具合が悪いみたいで……」カルディアが、取り繕う。


「そうか、それでは明日の昼には出発したいと思う。準備をしておいてくれ」オリオンは言い残すと席を立った。


「……」ヒロは無言で食事を始める。


「あんた、オリオン様となにかあったの?」カルディアは少し心配そうに聞いてきた。


「別に……、何もない」ヒロは誤魔化すように肉に食らいつく。


「ヒロ様、ヒロ様」イオがヒロの服を引っ張り小さな声で耳打ちをする。「今日の髪飾り可愛かったダニ!」それを聞いた瞬間、ヒロは口の中のものを吹き出した。


「な、なによ!汚い!!」カルディアは服に飛んだのか手で払いのけるような仕草をした。


「イオ……、みんなも気がついていたのか?」ヒロは小さな声で聞き返す。


「うんにゃ、気づいたのはイオだけダニ」


「いいか、みんなには内緒だぞ!」


「解ったダニ!でも、明日出発の前に肉まんを食べたいダニよ」イオは要求する目で見つめている。


「解った。俺の敗けだ……」二人は握手をかわす。


「何を話しているの?」カルディアは二人の会話が気になった。


「内緒だダニ!」「あはははは」二人の口は固かった。


「なんだか、気持ち悪いわね。二人とも……」カルディアは、野菜をフォークに突き刺すと口に入れた。

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