霊夢とドレスと魔理沙。
「今日も暇ね」
紅白の縁起が良さげな巫女の服を着ている少女。巫女なんだから仕事しろよって思うかも知れないが、まぁ、これはこれで仕事はきちんとしている。紅魔館のメイドと比べたら全然してないが。
朝は9時位にならないと起きてこないし、冬にもなると起きてもこたつから出て来ないし。
「おーい!霊夢ー!」
この少女は霊夢と言うらしい。神社の名前が博麗神社だから「博麗 霊夢」じゃないかと思う。
「暇してた所なの。でも魔理沙は歓迎してないわ。」
金髪とも黄髪とも取れる髪の毛をしてるこの少女は「霧雨 魔理沙」と言うらしい。森の奥でなんでも屋(魔法店)をやってると言うが.....店になんかほとんどいないで、霊夢のところに入り浸っている。
「まぁまぁそんなこと言わないで欲しいぜ」
呆れたようで、どこか嬉しそうに答える
「で、今日はどこに行きたいの?」
「紅魔館の図書館!」
却下。と短い口調で霊夢が静止する。
「そう言えば、さっきまで紅魔館行ってたわ。門の前で咲夜と美鈴が一緒にご飯食べてたわよ。図書館いくのは無理なんじゃないかしら?」
魔理沙はブツブツ文句を言ってるが、結局神社で二人でお茶することになったようで、、、
「お茶入れてくるわね」
「ありがとだぜ」
ーーー10分後ーーー
「霊夢遅いぜーお茶ってそんなに時間かかるのか?」
霊夢の方を見ずに答える魔理沙
「魔理沙ー!どう?この格好?紅魔館で見つけて貰ってきたの」
霊夢はいつもの巫女服ではなく、紅の洋風な服を着ていた。
「おー...いや、そのすごい可思う...ぜ」
髪の毛まで赤くなるほど顔を真っ赤にして褒める魔理沙。魔理沙からしたら相当露出が激しいらしく、目を泳がせて顔をあげられないほどになっていた。
「あら?霊夢、その服気に入ったのかしら?」
咲夜だ。ついさっきまで美鈴の所にいたはずなのに、いきな目の前に現れた。時間停止だろうか?
「えぇ、魔理沙の反応を楽しませてもらっているわ。」
咲夜はちらっと魔理沙の方を向くと、苦笑いして、
「気に入ってもらえたならそれあげるわ。うちにあっても使わないのよ。お嬢様がみんなのドレスをすぐ変えるから」
「ありがとう。まぁ普段は巫女服着なきゃいけないからたまに着るわ。紅魔館行くときは着ようかしら。」
だいぶ慣れてきたのかやっと話せるようになった魔理沙は、霊夢の方を見て、咲夜に
「私もこういうドレスが欲しいんだぜ…」
と羨ましそうな声を漏らす。
「そうね、お嬢様にかけあってみるわ?もしかしたら余ってるドレスがあるかもしれないの」
魔理沙は満面の笑みで
「よろしくだぜ」
と言った。
その後ドレス姿の霊夢と魔理沙は1日中神社で話していた。次の日からも同じような日が続き、1日、1週間、1ヶ月と過ぎた。
そして更に1ヶ月後…
よく晴れたある日。博麗神社でいつもと変わらず話している二人。今日も一日中話そうと魔理沙がやってきて、もうすでに3時間ほど話した。
取り留めのない話をしていたらいきなり霊夢が話を遮って、魔理沙に呼びかけた。
「ねぇ魔理沙。」
「ん?」
なんの事やらさっぱり分からない魔理沙は、いきなりどうしたんだと言う目で霊夢を見つめている。
「今日は魔理沙の.....
_______時は昨日の夜に遡る。_____
「_____ってのがあったんだぜ」
「アリスってそういうところあるのよねー」
昨日も、もう日が暮れているというのにこの二人まだ話していた。
「んじゃ、そろそろ遅くなってきたし帰るとするぜ」
ん。気をつけてね。と霊夢が言うと箒にまたがって家に帰っていった。
「やっと一人になってくれたわね」
どっから来たのか私服姿の昨夜が大きな袋を持ってやって来た。今度は時間停止は使っていないようだ。
「咲夜が来たってことは手に入ったのね!どんなドレスなの?」
「そんな焦んないで霊夢。急がなくてもドレスはなくならないわ。うーん。いつもと色はそんなに変わらないけど、すごくいいドレスが手に入ったの。お嬢様が、余ってるドレスじゃ無くてきちんと新品を買いに行きなさいって。それでこのドレスを買ったってわけ。だから魔理沙へのプレゼントにはいいんじゃないかしら。」
そう言いながら袋に入っていた箱からドレスを出すと。
「ふわぁ...綺麗ね...」
月光に輝いてキラキラと光る黒いドレス。スパンコールが散りばめられていて、月の光をきれいに反射するようになっているようだ。また、ドレスの首元には一体どれだけのダイアが付いているのか分からないほどのダイアが付いている。
明らかに高そうだ。
「こんなドレスどうしたの?すごい高いでしょ?」
「ふふっ、お嬢様が気合入っちゃったのよ。外の世界からドレスの職人と宝石商を呼び寄せてお金はいくらでも払うから最高のドレスを作るのよ。ってね。その結果これよ。紅魔館の金庫から金の延べ棒が10本くらい消えたわ。生地も最高級品のシルクを使ってるの。これ着て魔理沙と霊夢で紅魔館に来てほしいって。あ、そう。霊夢の分のドレスもあるわ。」
魔理沙と見た目は似ているが、色使いが紅を基本とした明るい色になっていて、首元の宝石も紅い宝石が入っている。
「この宝石...。」
「そう。紅いダイア。それも結構高いのよ?」
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「今日は魔理沙の誕生日でしょ?プレゼントがあるの。」
「えっ?覚えててくれたの?ありがとう」
霊夢は例のドレスを魔理沙に渡した。
「えっ!こんなドレス私にくれるのか?....ぐすん。.....前に...ほしいって言ったから、、買ってくれたの?」
「そうよ。気に入ってくれた?」
「気に入らない訳がないんだぜ!ありがと霊夢......ふえぇぇん......」
「泣かないでよ魔理沙ぁ...ドレスぐちゃぐちゃになっちゃうじゃない....」
そんな魔理沙にドレスを着せて、それから霊夢も自分のドレスを着て紅魔館へ向かった。紅魔館の前あたりまで泣いていたが、ようやく落ち着いたのか、ついた頃には普通に話していた。
そして、紅魔館の大広間。美味しそうな料理と大きなケーキ。どれも紅魔館の主、レミリアが気合を入れて仕入れた最高級の品ばかり。
「「「魔理沙、誕生日おめでとうー!」」」
そして、とレミリア。
「霊夢、魔理沙、結婚おめでとうー!」
突然の発表で魔理沙は口をパクパクしている。
「このドレスって誕生日プレゼントだけじゃ無くてウエディングドレスでもあったのよ魔理沙」
「いきなり結婚式はびっくりだぜぇ....ぐすん」
その後も魔理沙が半泣きの状態でパーティが進み、、、その夜。
「ねぇ魔理沙。結婚してくれる?」
「もちろんだぜ!」
泣き疲れていないのだろうか。いつもどおりの元気の良さで答える魔理沙。
「ありがと魔理沙。大好き。」
「私もずっと好きだったんだぜ...」
その後。
魔理沙は魔法店を神社の横に移して二人で神社に住むようにしたらしい。二人が結婚したという噂は幻想郷中に広がり、神社も魔法店も前より人が来るようになったんだとか。
めでたし。めでたし。
全部読んでくださってありがとうございます。できれば感想待ってます。




