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8月5日午前7時44分 南口コンビニ前

作者: 3104

どいつもこいつも頭を下げて駅に向かう

火葬場で吸い込まれてくと思うと少し可笑しい


眼下に見下げ、今日も走る



あぁ、また待ってる

下を向いて待っている

細る影に縋るように立っている


早く来て欲しいのかな

来ないとどうなるのかな

あの子は困るのかな


少しだけ止まる場所をずらしてみる

ほんの少し

気づかない


少しだけ扉を開けるのを遅らせてみる

ほんの少し

気づかない


影にまみれてるから

俯いてるから

頼りにしてる俺に気づかない


ざわつく

黒い毛が喉元までくる


扉を閉めて少し走る

ゆっくりゆっくり


やっとあいつは気づいた

細い眉を曲げ

何かを口にし

靴を鳴らして駆けてくる


黒い毛が

せり上がり

せり上がり

俺の体を包んでく

思わず出たよ

「発車します」



後ろの目が刺さり

ゆっくりと抜け落ちる


7時46分

いつもと変わらず動き出す



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