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最強は最高にわがままな証  作者: 早乙女 鰹
第10章 覇王城攻略
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第84話 宝物庫

宝物庫。

そこは真っ暗な空間だった。


光で導かれる通路だけが明るく照らされている。

そんな通路を歩くのはセル・デフォルトとメトラ・ソネフティマだ。



メトラは通路を進みながら横目にデフォルを眺める。

2メートル程あった身長は150センチぐらいまで縮んでしまっている。

でも正真正銘本人なのだ、しっかりと昔戦った時の記憶もあるし大鬼の里での記憶もしっかりとある。

横目で見るデフォルはかわいらしさまで備えている。信じたくはないが魂の色も同じなので正真正銘本物なのだ


すこし歩くと真っ黒な壁にぶち当たる、そこまで着くと真っ黒な空間に文字が浮かび上がる。



≪パスワードを入力してください≫



「どうしよう...」



パスワードは知らない、別のエリアを攻略すると解るのかもしれない今回は別べ別で攻略しているのでそれもわからない。

完全行き詰まってしまった。

ふとデフォルを見れば目を輝かせて親指を立てている。



「任せるのだ!!こんなこともあろうかとハオーにしっかりと聞いてるのだ!!」


「そうなんだ....」



覇王様に聞いたと言い張るデフォルに任せ見守る。



「たしか....しょう...ご...ロリ....と、これでいいはずなのだ!!」



無垢なデフォルになんてことを...これは俺の感想だ、なぜ俺は『悟り』をパスワードに設定したのだろうか...。

後悔はしていない反省もしていない。

そんな俺をシーラは輝きの無い瞳で無言の圧を掛けてくる。



言葉の意味はわからないがデフォルがパスワードを入力すると空間は解放される。


さらに奥深くに進むとやがて開けた場所につながった。


そこには金銀財宝があたりに散らばっていた。きっちりと棚に置かれている物もあるが黄金に関しては床に山の様に積み上げられている。



「これほどの財宝...我輩は見たことが無いのだ...」


「死の都でも見たことない...」



只々見惚れる事しかできなかった、積まれた黄金は輝き。

飾られている武器や装備達は途方もない魔力を放っている。



見とれていると黄金の山の奥から一人の少女が現れる。

桃色の髪に黄金色の瞳。純白の翼に周囲を浮遊する10個の黄金の球体。


溢れ出る魔力は私達よりも圧倒的に格上だった。



さっそく戦闘準備に入る。


 二体の【死霊騎士(デスナイト) 剣王(ナイトキング)】を召喚したことで私のステータスが上昇する、そしてその騎士を二体ともデフォルが確率操作を施したうえで両断する。

確率操作の影響を受けた騎士は固有スキル【自己蘇生】の効果で復活を果たす、それを何度か繰り返し相手のステータスと同じ位まで上昇したことを確認した後相手の攻撃を受け止める。



実は戦闘準備をしている間も相手は攻撃を仕掛けてくる。だがデフォルの確率操作の影響で命中率を著しく下げられている現状では相手の攻撃は一切当たらない。


新しく生み出された死霊騎士を攻撃に利用し突撃させる。

その隙間を狙いデフォルが切り込む。攻撃は的確であり完全な不意打ちに思えた攻撃は浮遊する黄金の球体により防がれてしまう。


騎士たちの攻撃も同じだすべては黄金の球体により簡単に弾かれてしまう。


ならばと思いデフォルが確率操作を使用する。

それは武器破損確率だ。

どんな武器にも攻撃を受け止めたと時に発生する武器破損確率それを弄り、デフォルの攻撃を受け止めた。

時点で相手の黄金の球体が破壊されるように改変させたのだ。



攻撃は黄金の球体に命中し改変が発動する。黄金は一瞬にして砕ける。だが黄金は不定形な形へと変化しやがては球体に戻る。



「埒が明かないのだ!!」



僅かな苛立ちを隠しきれずデフォルは怒りに身を任せ攻撃を行う、だがそのどの攻撃も黄金の球体の前に無力化されてしまう。


戦力は拮抗しお互いは決定打になる攻撃を持っていなかった。


剣は躱される、だが相手の球体は当たらない不毛ともいえるこの争いはかなりの長期戦になることが予見された。



それもそのはず、天使の扱う武器は覇王級の【黄金の球体(ゴールデンボール)】通称キンタマによって守られているのだから。

自動防御、並列意志、変身能力、自動追尾、自動攻撃。


使用者の意思とは関係なくあらゆる攻撃を防ぎ攻撃してきた対象に反撃する。

黄金は形態変化が可能で様々な形に擬態が出来る。刀になる事も槍になる事も自由自在だ。


飛び交う黄金の武器の攻撃の最中に作戦会議を開く。


相手の前で堂々と刀を納め腕を組む。


隙だらけに見えるが相手の攻撃の命中率は改変により0%そしてこちらの回避率は100%。攻撃など当たる余地も無いのだ。



「まったく糸口が見えないのだ!!」



怒るデフォルを宥め冷静に分析を行う。

だが答えは見つからない、どんな攻撃も防がれてしまう以上決定打に欠ける。



「あの金玉を抑えて欲しいのだ」


「それは10個全部ってこと?」


「そうなのだ!防がれなければ勝てるのだ!!」



デフォルの妙案に賛同し騎士を生み出す追加召喚した8体の騎士には残念ながらステータス向上能力は働かない。


言われた通りに球体を全て押さえこむとデフォルが大太刀を全力で振り天使に攻撃を仕掛ける。



だがクリティカルヒットしたはずの攻撃も純粋な防御力と体力で防がれてしまった、かなりのダメージを与えられたはずだが致命傷とはなり得なかった。


そんな状況に嫌気がさしたのかデフォルが青筋をたてて目を血走らせる。完全にキレている。



「もういいのだ!!!!奥の手を使うのだ!!!!」



あれを使うなら確実に勝利が出来てると確信をもてるのですべてをデフォルに任せる。



「もう終わりなのだ!!!【天元(フーミラ)】!!」



能力が発動し天使は倒れる。



何が起こったのか、それは勝率の改変だ。

デフォルが使った【天元(フーミラ)】は勝率を改変し強制的に勝利を収める事が出来るのだ


それこそがデフォルが強い所以なのだ。ある程度の能力差であれば戦わずに勝利を収める事が出来る。



だが、デフォルはまだ知らないこの能力を使えば使うほど()()物が減っている事について。



それを知らない二人は次へと進む。



宝物庫はクリアがとても難しい、さらにパスワードまである、それにそのパスワード事態もゼルセラを倒して初めて知ることが出来るのだ

なので、この宝物庫をクリアすると宝箱を開ける事が出来るのだ。


そこの宝箱は完全にガチャ要素だ。大当たりは開けた本人に合った装備が貰える、元々あった装備と言うよりは開けた人をシーラが分析し最も適した装備を与えると言うもの。



だからこそ、受け取ることで能力は最強の能力へと昇華する。


だが、それは大当たりを引ければだ。

当たりがでる確率は非常に低い、最早天文学的数値に等しい、当てれる者は居ないと思ったからこそシーラに分析を頼みそれぞれにあった最強の装備を貰えると言う破格の対応なのだ。



だがその天文学的な確率もデフォルが望めばそれは100%となる。



溜息を付きつつも俺の隣で画面越しにそれを見ていたシーラは諦めてデフォルに見合った武器を創造するそれも二人分だ。



渡された装備を見てご満悦そうな二人をみてシーラは笑う、なんやかんやでシーラも楽しんでいるようだ



「どんな能力の装備なんだ?」



何気なく聞いたが返答は恐ろしい物だった



まずはデフォルの装備から、【天元之指輪(ランヌ=フーミラ)


効果

自身の肉体へ掛けられる確率の変化

確率を弄れる効果範囲の増加

相手に齎す改変の効果範囲の増加

確率により齎された事象の改変

代償の不要化

その他一般能力の上昇

と言うものだった。



使い方によってはデフォルは最強に近しくなったのだ。


そしてメトラ


幽閉之指輪(アスト=ランヌ)


効果

召喚できるアンデットの上限解放

召喚したアンデットのステータス上昇

自身への上昇効果の増加

召喚されたアンデットへの能力付与及び【自己蘇生】の追加

自身のアンデットが存在する時に一斉のダメージの無効化

対象に不死特性の付与

その他能力上昇


これも使い方によっては壊れている。

召喚したアンデットが一匹でも存在する限りメトラにダメージは入らない、さらにアンデットは【自己蘇生】を所持しているのでほぼ消えない。

さらに、生者を不死へと至らせることが出来る能力、これにより不老不死を大量生産することが出来る様になってしまった。



シーラの解説を受けたがいまいちピンと来なかったのでそのまま聞き流す。


理屈は分かるがそのどれも再現しようと思えば俺も再現することができるのだ、再現する必要も無いのだが。


2人は入手した指輪の能力の解析を始めた、宝物庫はゼルセラの部屋まで直接転移することが可能になる魔法陣が配置されるので時間をかけても大丈夫だろう。



無事三組は勝てたようだがミーシャとマーシャは勝てるだろうか...大事な事を忘れていないといいのだが...。

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