第81話 城門エリア
覇王の居城。
それは時空の狭間の最終エリアであり最難関の最終ステージだ。
当然そこには世界で最強の存在とその配下が守りを固めている。
そんな最終ステージを俺達は今から攻略する。
まずは【第一エリア城門】
大きな城門には君権天使の率いる軍勢との真っ向からの勝負だ。
君権天使には一人に付き19人の大天使クラスのフリューゲルが存在する、そんな君権天使も10人程存在する。
俺とシーラはそれぞれ3体ずつ受け持ち、デフォルとメトラは二人で1体を相手取る。
ミーシャとマーシャも二人で1体を相手取る、マナにはシルビアとゼロが付いているが一体を相手取る。
最後にゼルセラとキーラは残りの一体を相手取る。
君権天使だけを見れば人数的には有利かもしれないが君権天使には一人に付き19人の配下が存在する
大天使を含めればかなり劣勢なのだ。
難度20それは現実世界のオリジナルと同程度の強さを誇る。
さらにこの時空の狭間のフリューゲルだけは特殊でリアルタイムに強さの更新が行われる。
この場にオリジナルが居なくても別の場所で強くなれば俺が複製したコピー品である覇王の居城エリアのフリューゲルも成長する。
だからこの様な序盤で止まっている訳にはいかない。
だが俺とシーラ、さらにゼルセラにシルビアそれからマナとマーシャにとってはオリジナルの強さといっても大した差はない。
だが...その他のデフォル、メトラ、ミーシャゼロ、キーラにとってはかなりの強敵だ。
それも数が圧倒的に多いのだ。
俺とシーラの前に立つフリューゲルは瞬殺した、強さの桁が違い過ぎるのだ、この程度では脅威にはなり得ない。
マナの所の戦闘は激しかった、ゼロが聖剣を振りシルビアのナイフが飛び交う、そんな中守備に徹しているのはマナだゼロとシルビアへと放たれる攻撃はすべてマナが相殺している。
正直シルビアを守る必要は無い、それにゼロもだ、相手の攻撃を一度だけやり直せる、それを相手が攻撃を繰り出す度に発動できるのだからもはや攻撃は喰らわない。
マナに関してはほぼ指輪の効果で自動防御状態だ、意識せずとも相手からの攻撃は受けない、このチームはかなり優勢だ。
そしてミーシャとマーシャ、覇王級の装備を持っている二人にフリューゲル達からの攻撃によるダメージは一切ない。
ミーシャに関しては【炎獄之覇衣】があるのでどんな攻撃も喰らわない、さらにミーシャには【覇王之真影】を発動させているのでミーシャに向かった敵はもれなく戦闘不能状態へと追い込まれる。
そしてマーシャ、マーシャにはかなり高威力の【滅びの息吹】があるので圧勝ともいえる。
戦いに可能性を感じたのはメトラとデフォルのペアだ、メトラは自分と全く同じステータスを誇るアンデットを召喚する、すると召喚したアンデットと同じ分メトラのステータスが上昇する。
そしてその召喚されたアンデットの特性の死んだときに一定の確率で復活するを上手く利用し自身のステータスを極限まで上昇させる。
だが、それはとても残酷な手法で行われる。
メトラが召喚したアンデットをデフォルが即座に切り伏せる、すると毎回の様にアンデットが召喚される、はっきり言ってこれは異常だ、本来蘇る確率は10%これでも高い方だ10体に1体は復活しメトラのステータスに加算される、だがそれが毎回だ。
そう、それはデフォルの剣の【天元之大太刀】の特殊効果の確率操作の恩恵だ
本来の10%と言う確率を100%に変更している、ほぼ永久機関と化している。
デフォルはある程度メトラのステータスを上昇させると今度は敵陣に突撃し縦横無尽に暴れまわる
その姿はまさに鬼神、身の丈以上の大太刀を振るう、そして回避できそうに思われるフリューゲルはどんどん両断されていく。
ここでもデフォルは確率操作を行っていたのだ。
攻撃の回避率を改変させ必中にしもれなくクリティカルヒットだ、敵の攻撃にももちろん確率操作が行われる。
だが、一向に攻撃は二人に当たる事は無い、相手の命中率の改変だ。
そこを変えられてしまう以上覇王級を所持していないフリューゲル相手では無双に等しい戦闘を繰り広げることが出来る。
ここの組み合わせも負ける事はないだろう。
一番の苦戦を強いられているのはキーラだ。
あくまでもこの中ではだが....格上を相手している以上多少の苦戦程度だろうがキーラには【天章之指輪】と【末端者之刺剣】があるので致命傷にはなりえない。
相手から受けた攻撃を改変させ斬られたという事象を改変し斬られていなかったことにする、これをある程度の技量のある者が扱えばKなりの無双状態と化す。
そもそも、事象改変があるので、【斬られた】事実を【斬った】と言う事象に変更してしまえばいいのだから、攻撃しなくても相手を撃破する事が可能だ。
だが、それを行えるのはあくまでも技量あっての話だ。
そして覇王級のアイテムは使用魔力がかなり膨大だ、今のキーラの魔力量9999億では3回剣の能力を発動しただけで魔力が枯渇してしまう。
それも一体倒しレベルアップを果たし魔力が回復しもう一度使うといった具合にギリギリで繋いでいる
なので、倒せてはいるがギリギリなのだ。
ゼルセラはかなり余裕そうだ、それもそう【覇天魂鋭鬼 真覇】を使っているのだ、消費魔力は莫大だが相手を倒せれば元は取れる、倒した相手の魔力を吸収し自分のものとするそれがこの大鎌の権能である。
それを見事に使いこなすゼルセラの戦闘センスは計り知れないものだろう。
城門エリアの戦闘は苦戦したチームも有りつつだが無事全員が突破することが出来た。
覇王の居城は全部で5つのエリアに分かれている。
玉座の間手前、大食堂、書庫、宝物庫、城内エリア。
最後に玉座の手前でゼルセラと戦う事は強制だ、ゼルセラを倒せて初めて俺に挑めるようになる。
だがそれ以外は別だ、攻略する順番は自由だ、ならば同時に攻略してしまばいい。
大食堂にはミーシャとマーシャ。
書庫にはマナとゼロとシルビア。
宝物庫にはデフォルとメトラ。
城内エリアはゼルセラとキーラだ。
俺とシーラは【熾天使ゼルセラ】の所で待機だ。
俺は一組一組様子を見る事にした。
まずは城内エリア、トゥーディ、スターディ、バルーディ、この【威力天使】力天使の3人を相手にするのはゼルセラとキーラだ、だがまずはエリアの探索だ。
多少の謎解き要素もあるこのエリアは様々なエリアに分かれている迷路エリア、罠エリア、暗闇エリア
悠々と進むゼルセラに置いて行かれない様について行くキーラ、恐らく遅れてもおいて行かれる事は無いが...ちゃっかりもう一人もついてきているようだ。
次の組は書庫エリアを進むマナ、ゼロ、シルビアだ、最古の魔王のマナでさえこのエリアの書物の量に驚き辺りを見渡しながらエリアを捜索する、ゼロもシルビアも同様だ。
そんな一行の相手をするのは【徳能天使チェイニー】一人だ。
戦略を得意とする彼女にまんまと罠に落ちていくのだった。
次の君は大食堂エリアに向かったミーシャとマーシャだ。
この二人は一度経験しているのでこの先で待ち構えている【統治天使ドミナミ】と【智天使ルノアール】の対処法を知っているのだ、なにか重要な事を見落としている気がするが。
一直線に大食堂へと足を運ぶ二人の足取りは軽い楽しそうに笑いながら着実に進んでいる。
そして最後に宝物庫だ、ここは俺がいままで獲得してきた財宝やらが眠る場所だ、クリアすればそれなりの恩恵を得られるがそこで待ち構えるのは【宝座天使のトロン】だ。
カラカラと大太刀を引き連れながら歩くデフォルとユラユラと歩くメトラはその広大な空間に目を奪われる事になるそして降りかかる試練に打ち勝つ事が出来るだろうか。
ようやく覇王城の攻略が始まるのだ、俺が全部行けば早いだろうがこれは彼女らの戦いでもある。
俺は液晶モニターの様な物を作りだし眺める、フリューゲル達の戦闘を実際にじっくりと見たことはないので実は興味があるのだ、ゼルセラとルノアールに関してはかなり熟知しているが、他のフリューゲルが神達との戦いでどんなスキルを手に入れたはわからない。
俺が応援するのは両サイドだ、さて、どちらが勝つかな?