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最強は最高にわがままな証  作者: 早乙女 鰹
第6章 魔王会議
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第41話 強引な勧誘

 俺の出した命令に魔王達が戦慄し沈黙が場を支配していた。

あえて魔王達には兵を皆殺しにして来いと言ったが、実際は魔王の息の掛かった国に忠誠を誓っている軍の上層部だけだ。

なので一般兵は殺さない、民には何の罪もないのだから。



10秒程待ってる間俺は魔王達を観察した。


 先ほどから膝を付いているが表情は伺える。

先ほど会話をしたメトラとうロリっ子肌はとても白い、まぁ死んでるのなら白くて当然だが。

あどけなさの残る表情をしているが、さっきの殺気は中々のものだった。


 そして大鬼、愚かにも俺に楯突いたかわいそうな男だ。

見た目は限りなく人に近い、角や爪牙などはかなり発達しているが。

鬼と言うよりは人間に近い。


 そして黒く揺らめく幽霊らしき靄、顔という顔は見えはしない見えるとすれば目がありそうな一に真っ赤な揺らめきがある程度だ。

だが見た目はかなり好みだ、厨二心をくすぐられる、ぜひとも配下としてほしいくらいだ。


 次に翼の生えてる女だ、何というか地味だ、ただ人間に翼が生えるだけとしか思わない。

顔立ちも整ってはいるが俺の配下程ではない。

それに天使の輪もないので、ほんとに人間に翼が生えただけのようだ。


 そして次薄っすら獅子を思わせるかのような毛並み?と言うか雰囲気だ。

見た目はほぼ人間だが尻尾と耳が生えている。

いつかあの耳をもふもふしてやろう。

いや、男だからいいか....何人か配下を貰おう。

出来ればロリっ子を...

生贄でも差しださせるか?


 次はうっすら体が光っている彼女だ、おそらく聖霊の類だろう、そもそも聖霊に関して詳しく知らないのだ。

修羅の世界の聖霊は俺が転生したときは既に滅んでいた。

正直どんな力を使えるかは未知数だ、聖霊だけに使える聖霊魔法と言うのもあるらしい。

まぁその気になれば使えるかもしれんが...。


 次はメラメラとその身に炎を宿す男だ。

愚直に思ったのは熱くないのかな?だが、まぁ炎に関するスキルを所持しているのだろう。

炎にあこがれる気持ちは痛いほどわかるぞ。


 次に吸血鬼だ、この男ほんとに魔王なのか?魔力も大したことがない、夜でこれなら見込みは無いな。

この世界に来た時に出会ったあの吸血鬼の少女の方がまだ魔力がある気がするが。

まぁ魔王なんてそんなものか。


 そして巨人。こいつは魔王なのか?冷酷には見えないし、むしろ優しそうだ、人どころか蚊さえ殺したことが無いんじゃないか?

まぁ魔王種に進化してる以上人間は殺しているとは思うが。


 そして最後、一見ただの人間だが、スキルを使ったところどうやら蜘蛛人らしい。

蜘蛛は嫌いだ、見た目はかわいいのに何故蜘蛛なんだ...。

本来の姿は蜘蛛で今は人間に擬態してるだけなのだろうか?

ただ...こいつは何故ここまで怯えているのだ?

なにかした覚えはないが...シエラに聞いてもこいつは素直に招集に応じたようだし。

意外と魔眼がいいのかもしれない。

相手との力量差がわかればそれだけで助かる命だってあるのだから。

ぜひとも近寄らないでもらいたい。

根暗そうで気味が悪い...。



そんなことを考えているとドミナミとルノアールが戻ってきた。

  


「お待たせしました、こちらを」



 そういって亜空間から首を6つ取りだした。

正直見ていて気持ちのいいものではない...。

だが命じたのは俺だし褒めてやらねば...。



「きっかり10秒だな、それでこいつらはほんとに6魔将なのか?」



 まぁ大鬼の反応からしてこいつらはほんとに6魔将なのだろう。

もう少しだけあの大鬼を煽ってやろう完全に敵対してくれれば始末もしやすいんだが。

妙にメトラってロリっ子が庇うんだよなぁ。



「なにか目ぼしいスキルは合ったか?」


「残念ながら見つけられませんでした200万ほど刈っては来たのですが...まさかここまで脆弱だとは思いませんでした...」



横目に大鬼を見れば今にも戦闘を開始しそうだがダメ押ししておくか...。



「だそうだ、そこの大鬼よ、お前は部下にどんな教育をしているのだ?所詮は小鬼(ゴブリン)か...」



「貴様ぁぁぁ!!同胞の命を奪っただけでは飽き足らず愚弄するなど絶対に許さん!!」



 よし、旨い事釣れたな、復讐の業火に心を燃やし戦闘態勢に入った。

実に狙い通りだ。


俺からすればかなりゆっくりと相手は迫ってきているがこの世界のレベルからするとかなり早い方だろう。


 だが、迫りくる大鬼はメトラによって吹き飛ばされる。

以外とこのロリっ子は賢いな...俺の狙いを読むとは...。



「この愚か者め、安い挑発に乗せられおって...」



壁にめり込んでは居るが意外とピンピンしているようだ。



「我が好敵手とてあの男はもう許せぬ!!」


「この愚か....」



 少々強引だが大人しくしていてもらおう。

スキル【覇王の威光(オーバーロード)】の効果を発動させロリっ子の動きを抑制した。

ゆっくりと歩き大鬼の前まで行く。



「俺が直々に相手をしてやる、今度は邪魔は入らないぞ?覚悟があるなら―――かかってこい」



多少言葉に覇気を乗せ威嚇してみる。


 効果は抜群だった恐らく覇気のレベルを読み間違えて俺を弱いと思っている事だろう。

何故なら覇王覇気は使用していない覇気の中でも最弱のレベルを使ったからだ。



「ぬかせぇ!!」



 大鬼は瞬時に大剣を召喚し俺を大上段から斬りつける。

まぁ避ける必要も防ぐ必要もないか...。


剣が体に当たったことで爆発の様な衝撃波が生まれ土煙がたつ。



「っふただの虚勢だったか、人間風情が....」



 だが、土煙が収まるころ大鬼は驚愕することになった。

そこには刃折れの大剣と無傷の俺がいるのだから。



「すまない、避けるのを忘れていた」



「ありえん、伝説級の武器だぞ...壊れるわけが...それも人間の肉体ごときに傷一つ付けれないなんて...」



 やっぱり弱いなぁ...ここまで弱いと逆にやる気がなくなるな...面白みも無いんだよなぁ...。

俺はスキル【覇王の御手(オーバーハンド)】を使用し巨大な手で大鬼を握る。

これで魔王なのかと落胆しそうだが他に歯向かってくる奴が居ないのかを探る為...。



理解はしているが...早く出てきてくれなければ早々に打ち切るぞ...。



「まさか、最古の魔王である不死王が戦いもせずに膝を折るとは...魔王のレベルも落ちたものよ....」



きたぁぁぁぁぁ!!


思わずガッツポーズをとってしまいそうになるくらいには嬉しいぞ!!


 声を上げたのは幽霊王である、靄の様な奴だ、魔王としての立場に誇りを持っていたのだろう。

もしくは同じ不死者としてメトラの事を尊敬していたのかもしれない。


だが...俺に逆らった以上お前は...俺の配下だ!!


フフ...フフフ...フハハハ!!フハハハハハハ!!!


 これ以上に無いほど俺の心は高ぶっていた、正直この愚かな大鬼を許しても良いほどに。

まぁ最初から怒ってなどいないが....まぁプレゼントというか今後の計画の為だ仕方ない。

さてこのお気に入りをどうしてくれようか...。



「ちょうどお前の様な配下を探していた所だ」



 幽霊の顔は靄でおおわれており顔は見え合いただ赤く光る玉があるだけだ。

だが、はっきりと怒りの感情が見て取れた。

殺気が混ざり赤き眼光に光が増す。



「人間風情がこの我を配下にだと?

確かにお前の力は非常識なほどだ、だが、それだけだ」



ここで話すことは終わったと言わんばかりに消えようとする。



「人族の強き者よ、我は誰の配下にもならぬ、そして一人も配下をとらぬ」



まったくせっかちな奴だ



「待て」


 俺は【覇王の御手(オーバーハンド)】を使用し幽霊を大きな手で掴む。

幽霊は驚愕の表情を浮かべている様な気がした。



「ありえん!実態無き体に触れるなどありえん...世の摂理に反している...」


「俺はお前が配下に欲しいと言った、ならばそれは絶対だ」



手に力を少し入れると実態を持たぬ身体からメキメキと音がなり幽霊から嗚咽が聞こえてくる。



「どうだ?忠誠を誓う気になったか?」



俺は幽霊に微笑み選択を迫る。




だが、答えはNOだった。



「そうか...残念だ...」



俺は魔法を発動させた【魂改竄(ゼケテル)


俺はこいつの根源つまるところは魂を改竄した。忠誠心の熱い【くのいち】として。


 魔法が効果を発揮したことを確認し俺は幽霊を掴んでいた手を放す。

するとすぐさま幽霊だったくのいちは膝を付き忠誠を示した。



「ふむ、だがいまのままでは少々弱すぎる、ゼル、こいつを【時空の狭間】で修業させる」



名前を呼べばゼルセラは現れ了解の意を示した。



「できるだけ隠密系のスキルをとらせろ、今後こいつには隠密担当として活躍してもらう」


「かしこまりました」



ゼルセラは一礼だけしその場からくのいちを連れ転移した。



さて、片方は片付いた


そして大鬼を眺める、少し手に力を入れると嗚咽を漏らす。

横目にメトラを見ると唇を噛み締めている。


 溜息を付きながら【覇王の威光(オーバーロード)】の効果を切る。

するとすぐさまメトラは膝を付き俺の前に平伏する。




「後生の頼みです...あの者にご慈悲を...罪ならば私が受けます」


「ならお前は俺に忠誠を誓うか?」



決意は出来ていたかのように真剣な眼差しで少女は言った。



「はい、お望みとあらば私の忠誠を貴方様に捧げさせてもらいます」

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