第19話
あの日から数ヶ月後、僕はあれから康博のおかげでハンドガンとアサルトライフルをある程度使えるようになった。今はこの2つを練習している。魔法はエミリーさんと先生に教えて貰っている。エミリーさんは中級魔法を教えて貰っている。最初の4つは全て覚えた。今は別の中級魔法を練習している。先生には雷属性と次元属性の魔法を教えて貰った。僕はほかの属性に比べ、この2つの属性の方が適性が少しあるようだ。雷は今、雷光という上級魔法を覚えることが出来た。雷光の詠唱はない。なぜないかと言うと無詠唱スキルを手に入れたからだ。これでわざわざ長い詠唱を言わなくていい。無詠唱スキルが発動するのはまだ雷と次元だけだけど。次元は瞬間移動するテレポートと魔法を消すマジックアウトのふたつだけだ。次元属性は強力なので覚えるのが難しく魔力も多く消費する。今は防御無視の次元切断を覚えようとしている。この魔法は次元属性の上級魔法だが難易度は上級魔法の上の超級魔法ぐらいらしい。そのせいもあるのか、なかなか上手くいかない。選択科目はこんな感じだ。学園生活は、前と同じように康博とよく一緒にいる。最近はライラさんとも特訓以外でも行動している。霧島さんとは仲のいい生徒と教師の関係を演じている。変わったことはこんな感じだ。
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教室
授業が終わり、担任のクロード先生が話を始めた。
「全員いるな?先程、緊急連絡が入った。この学園の周りに不審な人物を複数人確認したと報告がある。みんな気をつけてくれ。以上だ。」
「不審な人物ってどんな人なんだろう?」
「さぁ?でも今日は早く帰った方がいいな。」
「そうだね。じゃあね竜牙。」
「じゃあな。」
僕は霧島さんの所に向かった。
「霧島先生。」
「なに竜牙くん。」
「さっきの話って。」
「不審な人物のことでしょ。その人達が誰だかまだわかっていないけど怪しいのは確かね。もしかしたら、なにか起きるかもしれないから竜牙くん、その時はよろしくね。」
「はい。」
僕は部屋に戻った。
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ライラ
私は物音で目を覚ました。
「誰かいますか?」
私は音のした方に向かって歩いていった。すると後ろから口を布で抑えられた。
「ん!んん!」
だっ誰か助け…。
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黒鉄 竜牙
教室に入ると普段いるはずのライラがいなかった。
「竜牙おはよう!あれ?ライラがいないね。風邪かな?」
しばらくすると先生が入ってきた。
「今日の授業は中止だ。何人かの女子生徒が誘拐された。ここにいないライラもその1人だ。今日は学園の外には絶対出るな。出来るだけ寮の中で過ごせ、以上だ。」
「どうしよう竜牙。ライラが誘拐されたって!助けに行かなきゃ。」
「待った康博。僕達は寮の中で待機しよう。」
「どうしてだよ竜牙!ライラが誘拐されてるんだぞ!」
「僕らが出たって足でまといになるだけだ。先生達に任せよう。」
「うぅ。わかったよ…。寮に戻ろう。」
「あぁ。」
僕達は自分の部屋に戻った。
1時間後、僕の部屋に電話がかかった。
「竜牙くん、悪いんだけど学園長室に来てくれない?」
「わかりました。」
霧島さんに呼ばれたので学園長室に向かった。
学園長室
「黒鉄竜牙です。」
「入っていいぞ。」
「失礼します。」
僕は部屋に入った。
「君が竜牙くんか。そこのソファーに座りなさい。」
「はい。失礼します。」
「君に頼みたいことがあるんだ。わしの生徒を誘拐した者がいる。そいつらから生徒を救ってほしいのじゃ。」
「はい。わかりました。取り返しにいきます。」
「ホントか!」
「えぇ。私の友達もいますし、この学園には何かあった時に助けるために入学したので。でも条件があります。」
「なんじゃ?」
「出来れば私の正体がバレないようにして欲しい。まだ何かあるかもしれませんので。」
「わかった。それはわしに任せておくれ。」
「お願いします。」
「じゃあ任せたぞ。」
僕は部屋を出た。