第15話
僕は2人と別れ、魔術研究室に向かった。いつも康博と一緒にいるが今回は1人だ。…少しも寂しいなんて思ってないからな! 僕は魔術研究室に入り、空いてる席に座った。少し離れた席に同じクラスの姫様、エミリー・シュビゲールさんが座っている。その周りには貴族と思われる人達が関係を持とうと話しかけていた。しばらくすると女の人が入ってきた。
「私の名前はジーナ・ベルッジです。魔法の授業は私が担当します。皆さんも知ってると思いますが魔法とは体の中または外にある魔力を使って発動させます。初級魔法は詠唱を必要としませんが、それ以上の中級魔法や上級魔法などは基本的に必要です。」
「先生、基本的にってことは例外もあるんですか?」
「はい、そうですよ。中には詠唱を必要としない無詠唱スキルを覚えてる人もいます。無詠唱スキルは覚えることはとても難しいです。たとえ覚えることが出来たとしても中級魔法までや、この魔法だけなど制限されているのがほとんどです。」
「ありがとうございます。」
へーそんなスキルがあるんだ。知らなかったな。
「どういたしまして。魔法には様々な属性があります。まずは基本の四大属性がわかる人。」
「はい。」
エミリー・シュビゲールさんが手を挙げた。
「火、水、風、土です。」
「そうよ。この四大属性の他に陰陽系の光と闇、つい最近確認された雷と次元を含め8個の属性が存在するわ。まずどの属性に適性があるか確認してみましょう。1人ずつこの水晶玉に手を乗せて。」
1人ずつ順番に水晶玉に手を乗せた。水晶玉は赤く光ったり、青く光ったりと様々だ。 エミリーさんが手を乗せると緑と青と白に光った。
「凄いわ。3色光るなんてとっても珍しいわね。風と水と光に適性があるわ。」
今度は僕の番か楽しみだな。水晶玉に手を乗せた。水晶玉は光ってるけど色がない。
「ん!?あなたの適性属性がないわね。」
「適性属性がない?」
「要するに得意な属性がないけど苦手な属性もないってことよ。」
へー、そんなのがあるのか。得意な属性がないってことは、どんな魔法も覚えるのが少し時間がかかるってことなのかな?
「皆さん適性魔法が分かりましたか?まずは初級魔法からやっていきましょう。」
ファイヤーボールは使えるから、風魔法のウィンドを練習した。周りの人は自分の適性属性の魔法を練習しているためどんどん使えるようにが、僕には適性属性がない。なのでなかなか上手くならない。すると向こうからエミリー・シュビゲールさんが近づいてきた。
「えっと竜牙くんだっけ?何を使おうとしているの?」
「風魔法のウィンドを練習しています。どうやってやればいいのか分からなくって。」
「ウィンドは自分の周りに風を起こす魔法だからちょっと難しいの。自分の中の魔力を使うんじゃなくて、周りにある魔力を使うんですよ。」
「周りの魔力?」
「そうね…、じゃあまず私がウィンドを使ってみるね。」
そうすると僕の周りに風が吹いた。
「こんな感じよ。周りに吹いてる風を意識してみて。」
「わかっりましたやってみます。」
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「これで授業は終わりですお疲れ様でした。」
あの後、しばらくやってみたら少し感覚が掴めたような気がした。
「ありがとうございます。少しわかったような気がします。」
「どういたしまして。」
僕は康博とライラさんの所に向かった。