第14話
選択科目の授業は一学期が週に2回、二学期と三学期は3回ある。8時から10時は近距離武器、10時から12時は遠距離武器、13時から15時は魔法、15時から17時は鍛冶屋や魔法道具などを製作、と時間が別れており自分が受ける授業の時間に指定された場所に行く。ちなみに自分の受ける時間じゃなかった時は、自由に過ごしていい。大体の人は自主練をしたりしている。
「そろそろ時間か。」
僕は遠距離武器の授業を受けるため、訓練場に向かった。
****
「私の名はフレディック・プレスディだ。遠距離武器の担当をしている。弓は昔からあるが銃はつい最近開発されたものだ。銃とは詠唱を必要とせず、殺傷能力が高い攻撃を遠くから連続して放つことが出来る。これを見てくれ。」
僕らとは反対側に的が沢山現れた。
「マスターすればこんなことも出来る。」
フレデリック先生はアサルトライフルを取り出し的を狙って撃った。それは凄く正確で一瞬にして全ての的を撃ち抜いた。
「君たちにはこれを目指してもらう。まずはオートマチックガンを使って貰う。オートマチックガンとは発射時に発生するガスや反動を自動装填機構を作動させる拳銃で初心者向けのものだ。」
先生は1人ずつ銃と弾を渡していった。
「まずこのマガジンと呼ばれる弾倉に弾を入れる。弾を込め終わったらそのマガジンをグリップ、要するに手で握る部分の下から差し入れる。その後こうやってスライドを後ろに引く。あとは安全装置を外し引き金を引けば撃てる。2発目以降は自分でスライドを引かなくても自動で撃てる。わかったか?」
なるほど。何となくどうやるかわかった。
「では向こうにある的を狙って撃って貰う。」
すると射撃場の様なものが出現した。
「始めろ。」
僕は台の前に立ち、マガジンに弾を入れて銃を構え的を狙って撃った。しかし弾は当たらない。どうしてなんだろう?しっかり狙ってるはずなのに。すると横で撃ってた康博が声をかけてきた。
「竜牙、そうじゃなくて右手はできるだけグリップの上の方を持つ。左手は右手とグリップを包み込むように持つ。持ち方はこんな感じ。」
「うん。」
「軽く前項姿勢で重心は前、左足のつま先は的に向けて。右足は半歩後ろ、肘は若干曲げるくらい。」
「わかった。やってみる。」
僕は言われた通りに構えて撃った。
「当たった!康博すごい!」
「凄いでしょ!(ドヤ)」
そういう顔されるとドキッとするからやめて欲しい。
「あの…竜牙、大事な話があるんだ。」
「え?」
「だから昼食一緒に食べない?」
「あっああ…。」
まさか!告白されるんじゃ…。
****
康博にちょっと待っててと言われたので食堂で待っていた。
ヤバいどうしよう。確かに康博と一緒にいるのは楽しいし、可愛いと思うけど、康博は一応男だぞ!焦りながら僕は康博を待っていた。
「竜牙~、お待たせ~。」
きっ来た!
「待った?」
「いや。」
「竜牙凄く汗だくだけどどうしたの?」
「えっえーと、さっき走ったからかな~?」
お願いだから顔を近づけないで!
「それでね。さっき言ってた大事な話っていうのはね。こっちに来なよ。」
すると向こうから赤い髪のライラ・シャノワールが近づいてきた。
「えっ?どういうこと?」
「この人が竜牙を鍛えたいんだって。」
「あはは…。」
「竜牙、どうしたの?」
「いやなんでもない…。」
じゃあ僕は勘違いしてたってこと?恥ずかしっ!
「私の名前はライラ・シャノワールよ。あなたのことを鍛えにきたわ。」
「?」
「せっかく武器精製なんて使えるんだからあれじゃもったいないじゃない。」
「言ってる意味がわからないんだけど。」
「僕から説明するよ。近距離武器の授業があった時、組むペアがいなくて一緒にペアになったんだ。そしたらライラが僕に剣術を教えてくれたんだ。そこで凄く仲良くなって、それでこのあとも教えてあげるって言われたんだ。僕は竜牙といつも一緒にいるから竜牙も一緒に教えてくれない?って頼んだんだ。」
「だから僕を誘いに?」
「そうよ。」
「僕このあと魔法の授業があるんだけど。」
「大丈夫よ、練習は魔法の授業が終わってからにしようと思ってたし。」
「竜牙も一緒にやろうよ!」
「…わかった。」
「やった!じゃあ15時くらいに訓練場が空いてるからそこに集合ね!」
こうして新たな友達?が1人増えた。
主人公に新たな友達が増えました。霧島さんがどう思ってるか、気になりますね。