表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第一章2『記憶』

「団長?どうしたんですか?」


そう言いながら隣で顔を覗き込んでする金髪の少女

彼女の名前はアンリ・ルノエール

その名前も自分はさっき知ったばかりだった。

自分がなぜ見知らぬ場所にいるのか理解する前に、彼女といっしょに買出しに行ってくれないかと言われてしまった。

どうやら団長と呼ばれている自分も含め、あの家でシェアハウスのような事をやっているらしい。


「あのさ、ルノエール。黒猫団?とかいう組織はなんであるんだ?」


さっきから自分は彼女に質問をしていた。

自分がなぜ団長と呼ばれてるのかなどのことを。

彼女は適切に答えてくれた。

そのおかげでいま、やっと自分の立場がわかってきた。


自分は黒猫団という国の聖騎士団の団長でありグレンという名前らしい。

そして間横にいる彼女、アンリ・ルノエール副団長

自分が言うのもなんだが、正直こんな人を殺めることをためらいそうな少女が副団長なんて、とも思ってしまう。


「黒猫団はですね、団長が作ったんでするよ。今の団長は覚えてないようですけど、団長は...グレン団長はとても強い人でした。」


そんなふうに自分の問に答えるルノエール。


「今のメンバーはみんな団長に救われたんですよ。もちろん命も救われましたし、心も。みんな色々と過去にあって。」


嬉しそうに昔の自分を話してくる。

だが、その自分はきっと自分じゃない。

似ても似つかない。

それに、今まで自分は日本という国で暮らしていたのだから。

だからきっとこれは夢だ。

それとも今までの暮らしが夢だというのか?




……









……





…………静かになった血で染まりきった街。

周りに転がる死体の山。

小さく吹いた風に紅く塗られた金髪がなびく。

「ごめんな。助けてやれなくて」

彼は小さく赤髪の少女に向かって呟いた。

少女は声にならない声で三文字呟いた。




……






……




(今の記憶は何だ?)


急に頭の中に映像が浮かんできた。

今のは自分の記憶なのだろうか。

赤髪の少女は誰だ?

見たことがある気がするが……


すると、


「どうしたんですか?団長。またくらい顔して」


と、隣でまた心配してくる彼女。

そんな彼女を見てると心配かけられないなと思って、「大丈夫」と笑って答えてしまう。

そして、彼女も自分の顔を見て微笑みながら「そうですか」と答えた。

何故かその笑顔がどことなく懐かしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ