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プロローグ
「僕の将来の夢はヒーローです」
そんな小さな子供の夢を壊すかのように、静まった教室に響く笑い声。
お前みたいな落ちこぼれにヒーローなんて無理に決まってるだろ、と。
ましてやここは日本だ。
何を守るというのだ。
そう、罵倒される少年。
そんなのは小学生の頃の話だ。
高校生になった今では、それぐらい理解してる。
だが別に少年は諦めたわけじゃなかった。
中学の1年までサンタを信じているぐらいだったのだから、それくらいで諦めがつくわけでもなかった。
「もし、魔法や剣が使える世界に行けたのなら」
そんなくだらない空想から、彼は不運にも招かれざる客として別世界に招待された。