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第13話 天界殺人未遂事件

更新遅れて申し訳ないです!


天界へ戻ると、主から呼び出しをうけた。

すぐさま向かうと、顔を合わせた瞬間ふわりと頭をなでられる。


「ご苦労様、今日はゆっくり休んで」


にっこりと微笑まれ、なでられた頭がなんとも面映ゆい。


「それじゃあ、また何かあったら頼むね」


そう言い終えると主は去って行った。

撫でられ、ふわふわと幸せな余韻を残しながら自分の神殿へと足を進めた。


神殿へ戻ると、ふっと息が抜ける。

そんなつもりはなかったけれど、やはり気を張っていたのだろう。


早速鎧を脱ぎ、刀に変形した物体と共に元あった場所に戻しベッドに寝っ転がると、やっと肩の荷が降りた気がした。

戦闘指揮なんてやったことがなかったし(結局指揮していないが)実際には戦闘に自分から入っていくとは思いもしなかった。


…使用した技が特大威力だったのにもビックリした…。


一番驚いたのはラファエルさんの戦闘だ。


サマエルやマルコシアスには感じられなかった"違和感"。俺自身がラファエルさんの戦闘を見るのは初めてだが、それでも感じ取れた違和感の正体は何なのだろうか。


戦闘が終わって倒れてしまったのも気がかりだった。


トーヤを守りきることが出来なかったのにも後悔が止まらない。

トーヤの死は、いずれ乗り越える。

そう心に決めていたが、核については…考えても解らない。


…考えがまとまらない。

寝てしまおう。寝れば人間考えが整理されるとか言うしな…。


そう思った俺は、瞼を閉じた。


うっすら眠りに入りかけた時、扉をノックする音と呼び声で俺は目を覚ました。


「ルシフェル様~?べリアル様とバアル様がいらしてますよ~?」


ラファエルさんがドア越しにそういってきた。


べリアルとバアルが何の用だろう。


広間の方に通すように伝え、鎧の下に着ていたシャツのまま着替えずに寝てしまったので、適当な服に着替えてべリアル達の元へ向かうのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「と、言うわけで魔属性の指南してくれ」


「え…は?」


前置きをすっ飛ばして話してくるのはべリアルらしい。


そもそも悪魔と戦うのに魔属性習得してどうするんだ…?


「おい。せめて前置きを説明してから話さないといくらルシフェル様でもわからんだろう」


すかさずバアルのフォローがはいる。


「まてまて。何で悪魔と戦うのに魔属性覚える必要があるんだ?」


「聖属性は回復や防御系の技とかに向いててな。あんまり攻撃に向いてないんだよ。だから使うときは…」


光矢(シャイン・プファイル)

そうべリアルが詠唱すると壁に無数の光の矢が乱立する。


「こんな感じに大体の奴が単体で聖属性を使ってる。そのせいで使ってる奴あんまいないだろ?」


(いや充分じゃん…)

と思うが口には出さない。


「な、なるほど。でも悪魔に魔属性って効くのか?」


「うむ。魔属性だけは使用者次第だな。魔属性のみで炎、水、土、風、氷、雷を再現することが出来る。更に他の属性を組み合わせる事で威力が桁違いに上がる。と言うわけですな。」


とバアルも魔属性に関する知識は豊富なようだ。



「いやまあ、教えるのはいいんだけど…どうやるんだ?」


「あー、まあ魔属性に関しちゃ個人の資質だからなぁ。それに俺達は天使だから聖属性とかにゃ縁があるから呼吸するように扱えるけど、それに対になるように存在するのが悪魔と魔属性だ。天使が魔属性覚えようとするなら才能が必要なワケだな。逆もしかり」


なるほど…

ん?いやまてよ俺魔属性使ったことないぞ?


「まてまて、俺は魔属性の技使った覚えもないし、ましてやおれ自身魔属性に適性があるか知らないけど?」


そういうと二人は唖然としていた。


「え…いや嘘付きすぎだろ…さすがに騙されねぇよ」


「う、うむルシフェル様。さすがにそれは…」


疑問しかない俺は二人に聞いてみると。


「どう言うことも何も、ルシフェルは聖と魔両方の波動(オーラ)垂れ流しじゃん」


「しかも今回の戦いの後、聖属性より魔属性の方がぐんと強力な波動(オーラ)に…」


理由を聞いてみたら驚きだった。

魔属性の適性…確かによくよく考えたら思い当たる節は…ある。絶対アレだ。


(トーヤの核…トーヤはそんなに魔属性の適性高かったのか…)


「まあ使えるのは良いとしても指南の方法なんて知らないぞ?」


「それについては簡単だ。聖属性を体に纏わずに魔属性の技を当てればいい。攻撃でも回復でもな」


「うむ。だが当然だが聖属性のみの我ら天使は魔属性の攻撃でも回復でもダメージを受ける。属性が逆でもまた同じ」


「え…?いいのか?二人とも大ダメージ受けるぞ?」


「いや加減しろよ。本気でやる気か?軽く死ぬわ」


べリアルはそう言うけど、加減してもあの雷撃の威力だった俺は正直加減をするのに自信がない。


「あー…加減ね。頑張るわ…うん。多分…」


つい目をそらしてしまった。


「おい多分つけるな。こっち見て言ってくれ!」


「ま、まあとりあえずやってみようか。」


「不安しかないんだが…」


「大丈夫なはず。きっと。どっちからやる?」


べリアルとバアルは顔を見合わせる。

べリアルはまるで先に逝けとばかりにバアルの背を押しやり1番手を押し付けた。



「で、では私からだな。」


バアルが前にでた。


さて。いざ魔で攻撃するとなると何を使用するか悩む…


まあべリアルは炎だろう。本人もそのつもりだろうし。…バアルは普段どんな技を使うのだろうか?前回の戦いでは流星群を降らしていたがそれがバアルとは限らない。考えても仕方ないし聞くのが一番だな。


「バアルって普段どんな攻撃するんだ?もしくはどんな能力なんだ?」


「私の能力は動植物や昆虫等を支配下に起き偵察させるのが主だな。」


「あ、じゃあこの前の戦いで流星群降らしてたのってアスタロト?」


「うむ。あやつは魔法や召喚術などが得意だからな。」


「んー、そうかぁ。そうなると攻撃でも回復でもないからなぁ…」


そんなときに可憐な声に呼ばれる。


「ルシフェルさまぁ!」


その声に振り向くと笑顔を浮かべた明るいセミロングの茶髪をたなびかせる美しい女性が手を振りながらこちらへ向かってくる。

もう一人黒髪のショートボブのグラマラスな女性もこちらへ一緒に向かってきている。


そして目の前まで来るなり弾けるような声で喋り出した。


「ルシフェル様!ここにいらしたんですね!探しましたよ!」


ふふふと誰から見ても愛されるような笑みを浮かべると何やら手渡してくる。


「アディのお手製弁当ですよ。アディのご飯は美味しいですよ!…あたしの胃袋はアディに掴まれてるのになぜルシフェル様に…!!」


物凄く寒気を感じる。なんだろうか。この寒気は。

しかもなんか途中からボソボソ喋ってたからよく聞こえなかったがすっげー低い声だった!


「もうセフィったら。ルシフェル様!以前お約束していた手作りのお弁当です!是非食べてみてください!お墨付きはセラフィエルから貰っていますわ!」


かぱっと蓋を開けると茹で玉子から刀身が。しかも一本等というレベルではなくまるで針が刀身に変わったウニか毬栗。それらから障気が溢れだしていた。


因みに俺は状況変化が突然すぎてめちゃくちゃあたふたしている。


状況を確認しよう。まず人物確認からだ。セフィという黒髪ショートボブがセラフィエルだろう。そして毒物を持ってきた茶髪のセミロングがアディ。恐らくアブディエルだろう。

なぜアブディエルに突然弁当を渡される流れになっているのか俺には見当がつかない。

というかなんだろう。この刀身が咲き乱れている茹で玉子は。というか茹で玉子しかない弁当を弁当とは言わない。なぜ茹で玉子から刀身がたくさん見えて魔の障気が溢れているのだろう。幻術か魔術のなにかを組み込んでいるのだろうか。


「あ、ああ、ありがとう。あとでゆっくり頂くことにするよ…」


逃げて処分しなければ。


「まあ!女性が手作りしたお弁当を大切にして食べずにもって帰る気持ちは分からなくもないですが生の感想が聞きたいのです!」



アブディエル の 女の気持ち!

ルシフェル は 逃げられない!


こうげき

まほう

→ どうぐ

∟りょうり(どく)


…今服毒死しろと!!!???


「あ、あのう、セラフィエル様。アブディエル様?今我々鍛練中なのですが…。」


バアルが助け船を出そうと会話に入ってくる。


「あら?バアルさん。ごきげんよう。バアルさんもお食べになります?ルシフェル様の為に愛やら何やら入れたのですけれど美食家のバアルさんに食べていただいてお墨付きを頂ければ心強いですわ!」


隠し味的にいれるとしたら愛だけで十分なのに!一体何と何をいれたんだ。分かってる。短剣か短刀を何かを思いながら乱れ刺ししたんだろう。


そしてまさかの巻き込まれる形となりバアルはそれはそれは顔をひきつらせていた。というか美食家なのか。

…べリアルは巻き込まれないように汗を流しながら必死に明後日の方向を向いていた。


「あ!いーなぁ!ねえアディ。やっぱり一個もらって良い?」


「沢山あるし、皆で食べると美味しいというし!いいわよ♪」


とアブディエルからGOサインが出たので嬉々として茹で刀身(たまご)に手を伸ばす。


刀身(たまご)を手に取る。刀身が刺さるのではと思ったが何故か刀身がこんにゃくのようにぐにゃっと曲がる!!!なぜ!?


セラフィエルはまるで美味しいかの様に喜んで食べていた。


「さあ!どうぞ!」


何を思ってさあどうぞなんだろうか。

ついバアルと顔を見合せしまう。


「…っ!で、では私から頂くことにしよう…!」


バアルは決意し手に取る。


ありがとう俺の勇者よ!

俺は様子を見守る。べリアルはやめとけと目で必死に訴えていた。


そして茹で刀身(卵)を一口かじる。


「うおぉぉぉ○#‡□∑§△…!」


叫びもがいてバアルは…倒れた。


「バアルーー!!!!」


物体Xを作った当のアブディエルは「美味しすぎて気絶してしまいましたわね」と満足していた。


「いま治療魔法かけてやるからな!」


チャージしていた魔属性で詠唱する。


冥府乃救済(オルクス・ヒルフェ)


と意外にも悪ノリしたルシフェルが強力な魔属性の回復をバアルにかける。


(バアル…悪い。ここでバアルが力尽きれば口実ができるんだ…!)


と自分に害が及ばないようにルシフェルは魔属性回復を数回に渡ってバアルへかけ続けたのだった。

バルバトスの閑話書いてからギャグ多目になってきてるのに書いてるとき気づきました。

自制したいんですが…笑

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