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探して
「自己紹介が遅れたね、私は柴咲蓮。
狐と人間の間に生まれたんだ。」
「お、おう…てかなんでこんなとこに?
親は?」
「あー、私いろいろあって親探し中なんだ」
「…だからなんで俺のところに?」
「さあ?」
首を傾げる少女に涼はガックリと
うなだれる
「ああ、そうだお前の名前を聞いてなかったな!」
蓮が狐の尻尾を振りながら聞く
「俺は黒蓮涼。…で、結局お前は俺に
何をしてほしいんだよ?」
「私の親を探してほしいんだ!」
「…」
「ダメか?」
「俺はな、今外に出たくないんだ。
だから無理だ」
「よし、それなら外に出よう!」
「話聞いてたか!?出たくないんだって!」
「なんで?」
「は?」
「外は楽しいぞ〜?こんな暗い部屋なんか出て外に行ったほうが楽しいに…」
「お前に俺の気持ちが分かるのかよ!?」
机をバンッと叩いて怒鳴る
蓮はビクッとしてうつむいた
「そうだよね。いきなり現れてこれは
なかったよね」
低い声でそう言って
静かに立ち上がった
「ごめん」
蓮はその場から消えた
「…何だよ…急に消えるなんて…」
ベッドに寝転がる
だけど全然落ち着かなくて
部屋を飛び出した