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二人を助けに
「…こんなことが信じられないと思うけど…あいつを止めるには…信じるしかない。」
蓮がうつむきながら言う。
「信じるよ。」
「!」
「だって、俺はお前は嘘を付かないって
信じてるしな」
「…うん!」
涙をにじませながら蓮は頷いた
「さて…熱中症にならないように
あいつらを呼ばなきゃな…」
外に出ると、どこにも人の気配はなかった。
「真白?アイル?」
「涼!これ!」
蓮が小さなメモ用紙を見つける
「これは…」
『真白とアイルを返して欲しければ
今すぐ南に3キロにある文化会館へ
来い。時間は4時30分まで』
「間宮秋夜だな…!」
「涼!早く行かないとあの二人が!」
「わかってる!」
日差しが強く差す中、二人はただ走り
続けた。
「今…何時だ…?」
「3時54分…」
「早く行かないと間に合わない!」
4時20分
「…あと…10分…」
「着いた…」
残り10分前で到着した二人。
文化会館には一般客がいないようだ
「……」
「…涼!蓮の匂いがこっちに続いてる!」
蓮が指差したのは長い…長い階段だった。
「よし…行くぞ!」
「うん!」
最後の力を振り絞って階段を上がり始めた。




