蓮の過去
蓮はソファに座って話し始めた
暗い顔で
「これは、私がまだお母さんとお父さんが隣にいた話。
この時はまだ能力のことも何も知らなかった。
知っていたのは自分が人間と狐の間に生まれたということだけ。
でもそんなある日、ある男が現れた』
「…間宮…秋夜か」
「ああ。あいつは私をこのままこの生活を続けていると危ないと言ったんだ。
何故かというと、私が普通の動物の子供よりも能力が高く、強い子供の一人だったから。だからあいつは私を引き取った」
「…」
「仲間は他に九人いた。みんな似たような理由だったんだけど一部の子は
捨てられていたり、親の都合で引き取られたりだったらしい。
みんな最初はすごく間宮を警戒していた
けど、日が経つにつれて仲良くなった」
「でもある日、犬の能力を持った子が
おかしくなった。突然発作を起こしたり
短気になったりしていた。
その日から一日ずつ他の子が同じようにおかしくなっていった。
幸い私は軽い頭痛程度で済んだんだけど…
それで私は見てしまった
おかしくなった子供達を不敵に笑う
間宮秋夜を。」
「!?」
「もう、ずっと前から狂ってたんだろう。 間宮の部屋にこっそり入ってあるノートを見つけたんだ。
そのノートには私たちエイサーをバケモノ化させ、この世界を壊そうとする計画が書かれていたんだ」
「なん…だと…!?」
「ノートを見た私は間宮に見つかり
エイサーを追放された」
「…そうか…てか、これを大人に言わなくてもいいのか?!」
「言えば間宮は知り、私を消すだろう。
だから…私はさまよっていた
そんな時、涼の家にたどりついたんだ」
「そうだったのか…」




