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話すよ
「…なぁ、蓮…」
「……」
なんど尋ねても答えない
「ねぇ、蓮」
真白が蓮に近づく
「涼さん、蓮のお母さんたちを探してくれてるんでしょ?…だったらちゃんと
話したほうがいいと思うよ」
「…でも…話してしまうと…」
「…」
「涼が離れて行ってしまうかもしれない
!」
「バーカ」
蓮にデコピンをかます
「へ…?」
「俺が逃げる?そんなんだったら俺、
とっくに逃げて家に閉じこもってる」
「!」
「だから話せ。俺はお前の親を探すまで
いなくならねぇから」
「!…分かった…話す」
「じゃ、私たちは外にいるから終わったら呼んでね?」
「えー?!私も聞く〜!」
「ダーメ、アイス食べに行くよ」
アイルは駄々をこねる真白を『アイス』という単語で目を輝かせた
「アーイース!!」
スキップしながら真白は外へ出て行った
「…」
涼は苦笑い状態である
「まぁ、気にするな。いつものことだ」
「すげーな、オイ」
「それは置いといて…話すぞ」
「ああ」