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スキルなしと追放された俺、辺境で目覚めたのは〈領域支配〉だった 〜帝都が気づいた時には、もう遅い〜  作者: 影山クロウ


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第77話 設計者

第三階層・世界核外殻。


巨大な結晶球体が脈打っている。


ドクン。


ドクン。


光の線が球体内部を流れ、まるで星の血管のようだった。


アルトはゆっくりと立ち上がる。


ゼノスは静かに見ている。


「設計ミス」


ゼノスが繰り返した。


「それがあなたの結論ですか」


アルトは答える。


「そうだ」


カルディアがアルトを見る。


ラグスも黙っている。


アルトは世界核を指した。


「これは“接続装置”だ」


ゼノスは頷く。


「その通り」


アルトは続ける。


「だが接続が一方向だ」


沈黙。


アルカが呟く。


「……一方向?」


アルトは説明する。


「人間は接続されるだけ」


「世界核は取り込む」


一拍。


「だから個が消える」


ゼノスの瞳が細くなる。



カルディアが言う。


「確かに」


「古代記録でも」


「完全接続者は戻らなかった」


ラグスが吐き捨てる。


「吸収装置だな」


ゼノスは静かに首を振る。


「違います」


「統合です」


アルトは答える。


「同じことだ」



ドクン。


世界核の鼓動が強くなる。


アルカが叫ぶ。


「外殻振動上昇!」


カルディアが装置を見る。


「共鳴が拡大しています」


アルトは世界核を見た。


視界の端のUIが強く光る。


【世界核接続】


【干渉可能領域:拡張】


(……触れる)


アルトはゆっくり手を伸ばす。


ラグスが言う。


「おい」


アルトは止まらない。


手が結晶外殻に触れる。


その瞬間。


ドクン!!


世界核が大きく脈打った。



視界が崩れる。


アルトの意識は光の海に落ちた。


無数の光。


無数の意識。


声。


重なり合う記憶。


アルトは理解する。


「……集合意識」


ゼノスの声が響く。


「そうです」


「人類の次の段階」


アルトは言う。


「違う」


ゼノスは問う。


「何が」


アルトは答えた。


「制御されていない」


沈黙。



アルトの意識は世界核内部を見ている。


巨大な流れ。


だが乱れている。


渦。


衝突。


不安定な流動。


アルトは言った。


「これでは文明は維持できない」


ゼノスは静かに言う。


「文明は不要です」


「人類は次へ進む」


アルトは答える。


「個が消えれば文明も消える」



アルトは世界核の流れに手を入れた。


光が乱れる。


UIが激しく更新される。


【世界構造解析】


【振動パターン検出】


【調整可能領域:存在】


アルトは呟いた。


「……やはり」


ラグスの声が遠くから聞こえる。


「アルト!」


アルトは世界核を見ている。


「これは壊れていない」


一拍。


「設計が古い」


沈黙。


ゼノスが言う。


「あなたは」


「何をするつもりです」


アルトは答えた。


「更新する」



アルトの手から光が広がる。


世界核の流れに、新しい線が生まれる。


接続方向が変わる。


一方向だった流れが、


双方向になる。


世界核が震える。


ドクン!!


アルカが叫ぶ。


「振動パターン変化!」


カルディアが息を呑む。


「構造が……」


ミヒャエルが呟く。


「変わっている」



ゼノスは目を細めた。


「……双方向接続」


アルトは答える。


「取り込むだけではない」


一拍。


「戻れる」


沈黙。


世界核が新しいリズムで脈打つ。


ドクン。


ドクン。


ゼノスが小さく笑う。


「なるほど」


「それがあなたの文明ですか」


アルトは言う。


「人は世界と繋がる」


一拍。


「だが、消えない」



世界核が強く光る。


振動が安定し始める。


アルカが震える声で言う。


「……振動が整っている」


カルディアが呟く。


「世界核の共鳴が変わった」


ラグスが笑う。


「やったのか」


アルトはまだ世界核に触れている。


そして静かに言った。


「まだだ」


ゼノスを見る。


「これは始まりだ」


沈黙。


世界核の鼓動が響く。


新しいリズムで。


文明は今、


新しい設計へ向かい始めていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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