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スキルなしと追放された俺、辺境で目覚めたのは〈領域支配〉だった 〜帝都が気づいた時には、もう遅い〜  作者: 山奥たける


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第6話 最初の改革

夜明けと同時に、グラーデン領はざわつき始めていた。


理由は一つ。

命令が、速すぎた。


「南倉庫の管理者は交代!」

「え、誰の命令だ?」

「領主……いや、管理補佐だと?」


街の各所で、同じ混乱が起きている。


だが不思議なことに、

誰一人として「逆らおう」とはしなかった。


なぜなら――

全部、理にかなっていたからだ。


アルト・レインハルトは、庁舎の一室で地図を広げていた。


正確には、

地図“のように見えるUI”だ。


【領域支配:管理画面】

・物流効率 42%

・税収回収率 31%

・中間損失 異常



「……ひどいな」


独り言が漏れる。


問題は単純だった。


倉庫が多すぎる


管理者が分散しすぎている


税が「物」ではなく「書類」で消えている


(抜かれてる、というより……

 迷子になってる)


アルトは、指を滑らせる。


【最適化提案】

・倉庫統合

・徴税単位再編

・中間管理層の削除



「やるか」


最初に呼び出されたのは、倉庫管理者たちだった。


「な、なんで俺が外される!?」

「今まで問題なかっただろ!」


怒号が飛ぶ。


アルトは、感情を挟まない。


「問題はありました」


机に、一枚の紙を置く。


「あなたの倉庫を経由した物資、

 三割が目的地に届いていません」


「そ、それは……」


「横流しではありません」


そこが重要だった。


「管理経路が重なりすぎて、

 “誰の責任でもない場所”が発生している」


沈黙。


アルトは続ける。


「今日から、倉庫は三つに統合します。

 管理者は一人。

 責任も、一人です」


「ふざけるな! そんなことしたら――」


「効率が上がります」


即答だった。


「そして、

 誤魔化せなくなります」


空気が、凍る。


次は、徴税官たちだった。


「税が重すぎる!」

「払えないから、逃げるんだ!」


住民の怒号を前に、徴税官が肩をすくめる。


「規則ですから」


アルトは、首を横に振った。


「違います」


全員が、こちらを見る。


「税が重いんじゃない。

 回収方法が、馬鹿なんです」


ざわっとする。


「物で払わせて、

 途中で現金化して、

 また物に戻す」


アルトは、淡々と指摘する。


「三回、損しています」


そして、宣言した。


「今日から、税は――

 現地消費型に切り替えます」


「……は?」


「穀物は、穀物のまま。

 鉄は、鉄のまま。

 この領地で使う分は、

 この領地で回す」


UIが、静かに更新される。


・税収回収率 31% → 68%

・住民負担 軽減



「……なんだ、それ」


「当たり前のことです」


アルトは、そう言った。


その日の夕方。


市場は、異様な活気に包まれていた。


「物が、足りてる……?」

「値段、下がってないか?」


倉庫から物が滞らない。

税が途中で消えない。

必要な場所に、必要な分だけ届く。


誰も「改革された」とは思っていない。


ただ――

暮らしやすくなった。


夜。


領主が、信じられないものを見るような顔で言った。


「……一日で、ここまで変わるとは」


アルトは、UIを見ながら答える。


・物流効率 42% → 79%

・治安係数 上昇



「まだ、初期調整です」


事実だった。


「この領地は、

 壊れすぎていた分、直しやすい」


その言葉に、領主は苦笑する。


「帝都が、君を遠ざけた理由が……

 少し、分かった気がする」


アルトは、何も言わなかった。


代わりに、視界の端に浮かぶ文字を見る。


【領域支配】

次の最適化候補:

・軍制

・治安

・人材育成



(次は……)


アルトは、決めていた。


次に手を入れた瞬間、

この領地は “別物” になる。


そしてそれは――

帝都が、絶対に無視できない変化だ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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