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スキルなしと追放された俺、辺境で目覚めたのは〈領域支配〉だった 〜帝都が気づいた時には、もう遅い〜  作者: 山奥たける


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第5話 領域支配

視界を覆うノイズは、数秒で収まった。


だが――

消えなかった。


アルト・レインハルトの視界の中央に、

現実とは明らかに異質な“何か”が浮かんでいる。


―――SYSTEM ERROR―――

測定対象が規格外です

管理階層を再定義します



「……測定?」


思わず呟いた瞬間、画面がひび割れるように砕けた。


次に現れたのは、無機質な黒背景。


【管理者権限 確認】

個体名:アルト・レインハルト

役割:未定義(空白)



心臓が、大きく脈打つ。


(これが……俺の“空白”)


さらに文字が流れる。


役割を検出できません

理由:管理対象が個体単位を超過しています



「超過……?」


理解するより早く、表示が切り替わった。


―――再定義中―――

管理階層:領域



その瞬間。


視界が“引き上げられた”。


気づけば、アルトは宙に立っていた。


いや、正確には――

世界を見下ろしていた。


眼下に広がるのは、グラーデン領全域。

山、森、街、村、道路。

すべてが、立体地図として展開されている。


境界線が、淡く光った。


管理対象:グラーデン領

範囲:全域



次の表示に、アルトは息を呑む。


領域状態:崩壊(87%)

警告:複合的危機を検出



同時に、赤い警告が次々と弾ける。


暴動発生


魔獣侵入


食糧不足


指揮系統断絶


だが、恐怖はなかった。


なぜか――

全部、分かる。


(……直せる)


そう思った瞬間、画面が反応した。


最適化を開始しますか?

▶ YES



アルトは、迷わなかった。


「開始しろ」


世界が、動いた。


領域支配ドミニオン 発動】


・人材配置 再構成

・資源配分 再計算

・指揮系統 強制再接続

・魔力循環 修復



現実世界で、変化が起きる。


南区で暴れていた群衆が、急に動きを止めた。


「……あれ?」

「誰か、指示出したのか?」


兵が、自然と適切な位置に立っている。

怒鳴り声はなく、混乱だけが切り取られるように消えていく。


北の森。


魔獣の群れが、境界線に触れた瞬間――

見えない壁にぶつかった。


咆哮が、恐怖に変わる。

数匹が逃げ出し、残りは森へ引き返した。


「な、何だ今の……」


兵たちは理解できない。

だが、守られていることだけは分かる。


領主館。


アルトの前で、領主が目を見開いていた。


「……何が起きている?」


報告が、次々と飛び込んでくる。


「南区、沈静化しました!」

「魔獣、撤退しています!」

「倉庫の在庫が……整理されてる?」


アルトは、ゆっくりと息を吐いた。


・生産効率 +213%

・治安係数 安定

・統治負荷 軽減



数値が、気持ち悪いほど素直に上がっていく。


「……なるほど」


すべてが、腑に落ちた。


(帝都では、発動できなかった理由も)


画面の端に、赤い警告が浮かぶ。


警告:

本権能は上位権限です

既存の命令・制度・権限を無視します



「……そりゃ、嫌われるわけだ」


アルトは、苦笑した。


帝都では、

命令系統も、権限も、制度も多すぎた。


だが、ここは違う。


壊れていて、

誰も責任を取らず、

全権が空いている。


だから、スキルが“目を覚ました”。


夜。


街は、静かだった。


恐怖ではなく、

普通の静けさ。


領主は、深く頭を下げた。


「……助かった。

 君は、一体……」


アルトは、首を振る。


「まだ、何もしていません」


事実だった。


「ただ――

 この領地を、管理し始めただけです」


視界の片隅で、UIが静かに点灯する。


領域状態:安定化(進行中)



アルトは、空を見上げた。


そして、初めて確信する。


(俺に、スキルがなかったんじゃない)


(世界の方が、俺を測れなかった)


帝都は、まだ知らない。


自分たちが遠ざけた“空白”が、

領地一つを丸ごと掌握する存在だったことを。


――そしてそれは、

もう止まらない。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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