表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOぐだぐだプレイ記  作者: 兼乃木


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/181

108プレイ目 レイル

 召喚獣集めを終えた(もみじ)は、ハイレオン帝国の帝都に戻っていた。

 帝国内の他の街に行こうかとも考えたが、一度様子を見てから次の予定を立てたかったのだ。


「で、特に酷かったのがクストー王国とブリュマルク共和国の都」

「写真だけでも、廃れ具合が酷いですね…」

「もう調査が進んでるだろうけど、一応提出しておくよ」


 帝都の錬金術の店で現像してもらった写真を冒険者組合(ギルド)に提出する。何かに使える、かもしれないし。


「あの6人も、こういう証拠でも持ってればもう少し話を聞いてもらえただろうにね。噂以上に酷くて、あいつら自分で見てもいないだろ!って改めて思ったよ」

「そうですね。出どころの分からない噂としか言ってませんでしたから」


 例の6人は(みそぎ)をしているらしい。

 それで許してもらえるようなので、良かったと言うべきか。

 他人事だから、どうでもいいのだが。


 それから椛は、レベル60を当面の目標に掲げて受付嬢にダンジョンやフィールドの情報を尋ねた。

 西の大陸やヤマト国に行くには、そのくらいのレベルが必要になって来ると目されているのだ。


 レベルが足りなくて行けない!なんて事態は避けたい。


 その後は、しばらく2階の資料室で調べものをして過ごしたのだった。






 帝都にいるの?話せる?と検証クランのメンバーに声をかけられて、椛は組合に近いが裏通りの隠れた名店といった雰囲気の喫茶店に入った。

 雰囲気はあるが、客も多い人気店である。


「まだいたんだー」

「そっちこそ帰って来たんだ」

「西に行こうと思ってたけど、山道がキツくて…」


 ブリュマルク共和国の西に行くつもりだったのだ。

 でもそちらには召喚獣情報もなかったので、モチベーション不足で行く気が失せたのである。


 けっこう移動がキツくて引き返して来る人は多いらしい。良く分かる。


「あ、天使事件で泣いてた人が、グノームと契約できたって喜んでたよ」

「もう確かめたんだ」

「頼む前に掲示板を見て、ソッコーで契約したらしいね。そっちも諦めてたみたいで」


 天使とは契約できなかったけど、可愛い仲間だかペットが手に入って良かったねと思う。どこの誰かは知らないが。


「もふもふ語はようやく分かって来たけど、まだもふもふ言っててね…」

「よほど嬉しかったんだね…」


 ちょっと愚痴のような話をされたが、本題は帝国の戦争イベントと思われているものに関することだった。


「少し進んだ感触はあるけど、何か足りないらしくて不自然に止まってるんだよ」

「帝国に到達してるプレイヤーの数が足りないとか?」

「そういう可能性もあるけど、そんな人を動かすネタはないよ」

「第二のもふもふが発見されたのが帝国だったら良かったのに」

「アルヴィーナ王国なんだって」


 伝説の幻獣に釣られて来ただろうに、そんなに上手く行かないものだ。


「何か思い当たることない?」

「砦の街はスルーしたからなあ」

「立ち寄っておけよう」


 変な止まり方だと聞いていたら、椛も立ち寄っていただろう。今もちょっとだけ見に行きたい気はしてる。


「うーん、分からん」

「だよなあ。俺も他の検証に行こうかな」


 ここにいても進みそうにないのだし、アテがないのならそのほうが賢いかもしれない。


 きっと検証したいネタはたくさんあるだろう。


「あ、レベル上げってまだ海がいいの?」

「どうかな。そっちのクランから経験値の数値がおかしいって言われて調べ始めたけど、レベル50で55の魔物を倒せる人が少なくて…」

「まあ、ただでさえキツいのに海には行かないね」


 NPCたちがレベル50から上がらなくなるぞと口を揃えて言うのはヒントのつもりだったのか。そこから何か変わるという意味の。


 だがインプリンティング効果を狙ったものでもあったのだろう。レベル50からはマジでキツいぞと言い聞かせておく作戦だ。

 上がらない!という苦情を予期して。


 クレーマー以外も言いたくなるレベルでキツいということだ。


「確か迷宮都市のダンジョンも、ドロップが期待できるようになるのがレベル60だったよね」

「そう。あれもそのうち調べたい…」


 レベル60にならないと進みそうにないコンテンツがあるので、やはりそこは最低限の到達レベルなのだ。


 危険度が上がっても経験値効率は変わらないし、と考えていたら「あ」と声が上がった。


「ん?ああ、お知らせの通知切ってるだろ。第二陣の募集を開始したとか、二陣のスタートに合わせ大型アップデートをしますって」

「だってたいていログインした時に見れば充分なんだもん…」


 今すぐ知りたいような、緊急性の高いお知らせなんてないのだ。そういう時は緊急告知とか言って強制的に送って来るので。


「直近のイベントだと、イースターやるって」

「イースター…モアイ像…?」

「タマゴから出て来るモアイ像を集めよう」


 そんなイベントだったらカオスである。

 椛は気になったので確認してみた。


「マジでモアイなんだけど!?」

「え、読んでたんじゃなかったの?」

「ただのジョークだったんだ…!」


 次のイベントはカオス決定だった。






 イベントのことは始まるまで忘れておくことにした。告知だけで詳細は載ってなかったし。

 頼闇(らいあん)からバニーちゃんがバニーちゃんでバニーちゃんのイベントに違いないわよ!とかメールが来ていたが。


 モアイでバニーとか、ますますカオス。


 検証クランのクラメンとも別れて、椛は帝都の外に出た。調べたダンジョンに行ってみるつもりだ。


 でも砦の街も見に行きたい。好奇心しかないが、椛の行動基準はいつもそんなものだ。


「うーん、やっぱり時間ないし、明日にしよう!今日はダンジョン!」


 月牙(げつが)流星(りゅうせい)、そして玄幽(げんゆう)を召喚する。常時召喚できるので、やはり適正レベル帯に行くなら召喚しておきたい。


「レベル90とかにしてるNPCたちは、どうやってこの停滞期間を乗り切ったのかなあ。格上狩りなのかな…」

「あんっ」


 流星が可愛い顔で目をきらきらさせて椛を見ていた。

 その目が語っていた。


「とにかく強い魔物を倒しまくればいいよ!」


 流星くんもけっこうなバトルジャンキーだった。玄幽もその通り!とばかりに張り切っていた。


 椛以外が育てたら、もっと大人しい性格になっていたのだろうか。

 …いや、そんな可愛い性格じゃないな、と即座に否定した。いつも喜んでバトルしてるし。


 それとも類友というものなのか。

 ついオカルト理論になってしまった。


「なるべく強くて経験値になる魔物を狩りまくる。その正攻法しかないよね」


 より効率的な狩りを考えるゲームも多いが、そんな都合の良い方法は見つかっていないのだ。見つけて独占している者がいても、噂になるだろう。


 あまりシステマチックだと椛は飽きるほうだし。


「そんなことより、建設的なことを考えたほうが良いよなあ…どこでレベル上げしようかなあ…」


 転移プレートを活用すれば一瞬でゼロイスに戻れるのだ。西のほうに行くのも良い。鬼女の国以外で。

 アンセムはまだ素通りしたほうが良いかもしれないけど。


 オーフォロ王国のダンジョンも放って来たことを思い出し、そっちに行くのもアリかなと悩むのだった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ