4枚目 自己紹介の続きです・・・
4枚目です。
「しょう・・・しん・・・もの?」
「ってうわぁ!?」
根賀さんが急に床に座りこむ。僕は彼女を心配しようとした。
しかし、彼女は急に土下座をし始めた。
「・・・・・・・・・」
その彼女の姿は、おふざけじゃなく本気だった。
身体が震え、呼吸も荒々しい。
僕が彼女に近づくにつれ、彼女は徐々に身体を丸め始めるのが分かった。
僕はゆっくりとしゃがみ込み、彼女に優しく声をかける。
「根賀さん。僕はイジメたりはしませんよ。だから、土下座なんてしないでください。」
そういっても、彼女は土下座を止めようとしない。
身体の震えも治っていない。
どうすればいいか・・・
あっ、こうしよう。
僕はスマホを手に取り、文字を打ち込む。
『なんでも話聞きますよ。だから、頭を上げて欲しいです。』
『あなたが頭を上げないのであれば、僕もあなたと同じポーズを取ることになってしまいますよ!』
『どんな事でもいいです。頭を上げて、僕に話してください。』
「・・・!」
すると、根賀さんはゆっくりと頭を上げてくれた。目線は下を向いたままだけど。
でも、今はそれでもいい。
ただ、今の根賀さんは自分から能動的に話せる状態じゃないのは一目瞭然。なら・・・!!
「・・・自己紹介の続き、してみませんか?」
「・・・・・・・・・」
コクリと頷いてくれた。
この反応を見て、僕の心はホッとしている。
少なくとも、僕の話とかはせずに根賀さんの話を聞こう。
「根賀さん。ええと・・・根賀さんの好きな食べ物は?」
※保寺君。ここにきて一番ありきたりな質問。
「あっ、全然スマホとか使っていいですからね!」
「・・・・・・あ・・・甘い・・・チョコレート・・・・・・です。」
スマホを使わずに話してくれた!
なんか嬉しいな。
「あ、甘いチョコってことは、根賀さんは甘いものが好きなんだね!」
「僕も甘いもの好きなんで、今コンビニで新作のホワイトチョコがが発売されたらしいので今度一緒に食べませんか?」
あっ、しまった!中学の時みたいに踏み込み過ぎたか!?
やばい、やばい!訂正しないと、避けられ・・・
「・・・・・・っ!!」
根賀さんは先程までと違い、身体の震えが収まり逆にモジモジと身体を動かしている。
「ね、根賀さん?」
「わ・・・私も・・・・・・食べて・・・みたいです。」
・・・!
その言葉を聞けて、本当に安心した。
さっきまでは心配ばっかしていたけど、ちゃんと接することができてるって分かった以上、そこまで心配する必要はなさそう・・・かな?
そこからは、不器用ながらも一生懸命好きな場所や好きな事を教えてくれた。
「えっと、ちなみにさっきスマホを素早く取った理由って何でs・・・」
「!?」
根賀さんはまたしても土下座をし始めた。
なんだか放っていけないから、暫くは僕が根賀さんの相手をしよう。
※ペットを飼っている人の気持ちが少し分かった保寺君だった。