3枚目 私はただの・・・です・・・
第3話です。
「お前ら!今から明日の持ち物とか連絡事項言うからメモ取っとけよぉ!」
先程まで現実逃避してた僕の意識が元に戻る。
学級委員長になるんだったら、こういった事もしっかりしないと・・・
僕はメモを取り、先生の話を聞く。
先生が重要なところだけ強調して言ってくれるので、正直助かるな。
そうして数分後。
「おっと、そろそろ下校する時間だな!お前ら!気をつけて下校しろよぉ!」
「「「はぁ〜〜い」」」
「あと、保寺。お前は後で職員室に来ぉい!仕事の説明をしてやる!」
「は、はい!」
そうしてクラスのみんなは荷物を持って次々と教室を後にする。
僕は職員室に言って仕事の説明を受けに行く。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁ・・・面倒なことになったなぁ。先生は良い人なんだけど高圧的だし、別の先生は早口で論理的に話すからよく分かんなかったし・・・まあ、たかが1年間頑張ればいいだけ。それだけなんだし。頑張ろう。」
そう一人でブツブツいいながら教室に戻る。
早く荷物を持って帰ろうと思っていたその時、教室の電気が付いているのが分かった。
特に声も聞こえないから誰かが遊んでいる感じじゃないな。もしかしてひったくり!?
その憶測が飛び交った瞬間、僕は思いっきりドアを開けた。
「・・・っ!!」
「あ、あれ?根賀さん?」
「まだ、帰ってなかったんですね。もうとっくに下校時間は過ぎているので、帰りましょう。」
「・・・・・・・・・」
根賀さんは沈黙の後にコクリと頷いて、手に持っていたスマホをポケットにしまい席を立とうとした。
僕も荷物を取るために自分の席へと歩き、荷物を手に取る。
「あ、明日からいよいよ授業だね。根賀さんは文系寄り?それとも理系寄り?」
そう聞くとまたしても、根賀さんはスマホを取り出そうとした。
しかし、スマホがポケットに引っかかって中々取れない様子だった。
バサッとポケットからスマホが抜ける音と同時に、スマホが僕に目掛けて飛んできた!
そんなことある!?
少しビビったがスマホは僕のところには届かず、僕の足元に着地した。
僕の足元には、根賀さんのスマホと待ち受け画面があった。
根賀さんの拾おうとした次の瞬間。
根賀さんが超高速でスマホを取ったのだ。
こ⚪︎せんせー並みの速さだなぁ。
※こ⚪︎せんせーの速度はマッハ20くらい。
「み・・・・・・みみ・・・みみ・・・」
「見・・・・・・まし・・・・・・たか・・・・・・?」
話した!!
声めっちゃ綺麗!
※保寺君は心の中で快哉の声を上げた。
「あ・・・いや、ちょっと見えたけど、ハッキリは見えてなかったっていうか。」
「あっ!僕近視なので遠くのもの見えないんですよね。アハハハ」
※咄嗟についた嘘。
「っていうか、根賀さん喋れたんですね。僕てっきり病気とかで喋れないのかなと思ってて・・・」
「・・・・・・!」
「・・・・・・」
「そ、その・・・ハァ・・・私、は・・・ハァハァ・・・」
根賀さんの汗がすごい。
やっぱり何かしらの病気なのかもしれない!
「根賀さん!返答はいいです!体調が悪くなる前に帰りま・・・」
「わ、私は・・・ハァ・・・ただの・・・小心者・・・・・なん・・・・・・・です・・・」
えっ?