1枚目 初登校です・・・
記念すべき1話です。
小心者とは、世間一般の人達より些細なことでも心配をしたり怖気ついたり、周囲の目を気にしすぎて行動を躊躇ってしまう人を指す。ただし、小心者であっても物事に興味を示し、憧れを持つことはある事を忘れてはいけない。
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なんて事のなかった春休みを終え、僕“保寺 常人“は今日からこの瑞白高校に通うことになった。
学校からの連絡で入学式の前にクラスが分かるらしいけど・・・できれば中学の友達と一緒に登校したかったな。
まあ、みんな県立や附属の高校に行っちゃって、私立に来たのは僕の知る限り自分以外にいないけど。
私立の中では一応有名なところで、口コミでも”学力は普通。でも人間関係で悩むことはない!“とか”クラスの友達がいてくれたおかげで、学校に行けてる!“などイジメなどは他の高校と比べたら少ない方だ。
話は変わって、僕には中学生1年の時に経験した黒歴史がある。
思い出したくもないあの空間と時間。
その黒歴史を再現しないためにひとまずは、いつも通り普通で行こう。そうしよう。
手を前に出し強く手を握りながらそう心で思った。
※保寺くんは常人です。
中学1年の時に調子に乗って色んな人に声をかけたり、はしゃぎ回ったりしたせいで2年になるまでみんなから軽蔑の眼差しを向けられたんだ。
昔からそうだ。僕はいつもとは違うことをすると何かと黒歴史を作ってしまう。
とは言っても、新しい場所で新しい生活が待っているというワクワク感があるのは事実。
それを如何にして抑えるかで僕の1年間の生活は変わってくるのだ。
そんなこんなで考えてるうちに昇降口にたどり着き、クラスが書かれてある掲示板を読む。
僕はどうやら6組らしい。
全クラスがある中で6組は真ん中のクラス。ザ普通のクラスってことだろう。
僕はそのままクラスの方へ足を運んだ。
「ええと、6組6組・・・あっ、あった!」
あそこが僕の居場所となるクラス。これからどんな人が待っているのだろうか。
僕は下を見てそんな事を考えながら早歩きしだした。
教室の入り口の一歩手前で誰かとぶつかりそうになった。
「わっ・・・!」
同じクラスの人かな。前髪で片目が隠れるし、マスクしてるしでよく表情が読み取れないし、何も話してこない。
えっと、とりあえず挨拶と謝罪をしないと・・・!
「ご、ごめんなさい。えっと、この教室に入ろうとしてたって事は同じクラスだよね?」
「うーんと、よ、よろしくお願いします・・・」
すると彼女はすかさず教室に入り黒板に貼ってある座席表を読み、無駄のない動きで姿勢良く座席に座った。
※この間10秒
速っ!?
っていうか返事は!?ええーなんか僕がすごい悪いみたいになってる・・・
な、なんだったんだ・・・!?
もしかして僕、また作っちゃうのか?黒歴史。
通野君は未だ気づいていない。
彼女”根賀 天峰“が小心者である事を・・・
※彼女は今大量の汗が止まらないのと心拍数が乱れております。