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239 もうちょっとインターバル

【もうちょっとインターバル】をお送りします。


宜しくお願い致します。

「貴様の様な軟弱者に負けたかと思うと、自分が情けなくなる」

 今度は斎藤に胸ぐらを掴まれて、床から強制的に引き起こされた。



「ヒロト殿、お久しぶりです。我が妹の戯言は聞き流して下さい」

 


「エクスフィーレさん。お、お久しぶりです。あの戦い以来ですね」

 エクスフィーレ・カン・ドリーアールはハイエルフの里の族長で、四千年以上を生きている。アリストラスの生き字引きの様な存在だ。3年前の災厄の渦、その一千年前の災厄の渦にも参戦していた歴戦の戦士でもある。



「盟約に従い、我らも参戦いたしますわ。まあ、殿方のピンチを助けるのは、妻の勤めですし。本当は夜のお勤めの方が良いのですが……」

 リプリスは頬を赤らめながらそんな事を言う。



「自分で何、照れてやがんだ! このエロエルフ!! 」

 ワイアットはどうもこのエルフが苦手の様だ。


「照れてらっしゃるのは貴女ですわよ。そんな男勝りの言葉使いだけど、中身は乙女ですのね……ヒロト様のアレを知ってるのでしょう? 」



「アレ? 」

 


「そうアレ、ほら長くて、太いアレ」



「ててててめえ! へんな事言うな! 恥ずかしくねえのか!! 」



「恥ずかしいのは俺の方だ……」

 ヒロトはテーブルの下に入ってしまった。いたたまれない。



「きき貴様! アレがデカいと主張してるのか! 俺へのあてつけか?! 」

 斎藤が墓穴を掘る。



「貴方の様な若造が、百人斬りのヒロト様に太刀打ち出来るわけは、無いのですわ」

 リプリスはここぞとばかりに盛る事を忘れない。



「てめえ! 僕は何も知りませんみたいな顔しやがって、あたいより経験があんのかよ! 」

 ワイアットがヒロトにブチギレ出した。



「ごごかいだよ! そんな沢山の経験なんかない」



「それが自慢だと言うのだ! 俺なんかな、俺なんかな、来る日も、来る日も漢まみれの新撰組の中で、可愛い女なんか一人も居なかったんだぞ! たまに可愛い町娘と話しをしてたら、やれ隊のルールがどうとか、法度がどうとか、小煩い土方が小姑みたいに、あ〜! 羨ましい! 」

 斎藤が壊れた。



「どうしたんです? 」

 総司が幕舎に顔を出したら、ちょうど斎藤が刀を抜いてヒロトに斬りかかろうとしていたから、慌てて止めに入る。



「斎藤さん、どうしたんです?? 」

 歯がいじめにして、どうにかじたばたする斎藤を取り押さえた。



「貴様みたいなモテ体質の男にわかってたまるか!! 」





◆◇◆




 

 白亜の壁で覆われた広大な空間の中心にその異様な船体は鎮座していた。塵一つない空間の床をドレスを着た一人の女が歩みを進める。巨大な船と思しき物体の傍らに小さな祭壇の様な物がある。

 女が祭壇にある石碑に手をかざすと、古代アリストラス文字が金色に浮かび輝き出す。



「伝承通りよな」

 浮かび上がったコンソールパネルを操作しようとしたが、後ろから声をかけられて、その手が止まった。



「スターシア様……何をされているのですかな? 」

 地上で黒龍の軍と戦う為の準備をする筈の男がそこに居た。



「……バイナスか……グランドロア法王がこんな所で油を売っていて良いのか? 」

 


「貴方様こそ、【紅蓮の巫女】様は、軍の労いの為にパレードに出席して頂かなければなりますまい。この宮に何用ですかな? 」



「無論、この【エルドラド】を起動させる為にここに居る」

 


「誰の許しを得てその様な事を? 貴女は、私の計画通りに物事を進めれば良いのです。さあ、お戻り下さい。そして私目にそのパスコードをお渡しを」

 そう言いながらバイナス・F・グランドロア七世は手を差し出す。



「余は傀儡では無い。貴様がグランドロア国民の為に世界を安定させるならばそれでも良かった。だが貴様はただ単にアリストラス超帝国の魔導テクノロジーを欲しているにすぎぬ。その様な者に、この【エルドラド】は渡せぬよ」

 いつの間にか、スターシアの周りを純白の鎧を着用した騎士達が囲っていた。空間転移して来たのだ。



「ならば力ずくと言う手もありますな。やれ! 」

 そのバイナスの一言で、僧侶騎士団達が抜刀した。だが、その瞬間、スターシアの前面にいた騎士数人の首が飛んだ!



「な、なんだと?! 」

 一気に緊張が騎士団を覆う。

【もうちょっとインターバル】をお送りしました。


(映画【マスカレードナイト】を観ながら)

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