表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/143

160 新たなる召喚 参 (改訂-1)

【新たなる召喚 参】をお送りします。


新たなる召喚者達が名乗りをあげます。

宜しくお願いします。

 扉から入って来た女性の持つ雰囲気なのか、この聖堂の空気感までもが変わった。優しさに満ち満ちている。まるで女神だと斉藤は思った。その女性が皆を見渡したのち、ゆっくりと口をひらく。



「いま何故この場所に居られるか理解し難いかと思います。ですが皆様の来訪をアリストラスを代表して歓迎致します。私の名はエレクトラ・リア・サージェス・アリストラス。アリストラス皇國十四代皇王、そして神託の巫女でもあります」



「……アリストラス?……ファイヤーグランドラインには無い地名だな……」

 カズキはステータス画面を開いた。そこにはワールドマップのデータが無い。やはり量子相転移は成功している。だが、メンバーとは別々になった様だ。



「どう言う事さ?! 私達をこんなところに集めたのはあんたかい? 」

 ワイアットがエレクトラに凄みかかる。それを御船千鶴子が間に入って止めた。



「……どうやらそんな単純な事ではない様ですわね」

 千鶴子は左手の人差し指をこめかみにあててエレクトラの瞳を覗き込む。



「俺は貴女方の言葉がわかる……俺の言葉も意味は伝わっているな……どういう事だ?? 」

 一度は立ち上がった斎藤一は、床にへたり込んでしまった。



「……ここは異世界だな……それもリアルワールドだ。バーチャルじゃない……成功したな……」

 カズキは正確に事態を把握し始めていた。普段からVRMMOに慣れ親しんでいる為、この異常な事態の飲み込みが早い。各自のステータスを自分のシステムに連動させていく。だがそれでも呑み込みが早すぎる。



斎藤一 レベル98 侍大将(サムライロード)


御船千鶴子 レベル85 超能力者(サイコキャスター)


ワイアット・アープ レベル95 銃士(ガンナー)


カズキ レベル96 影王(キングオブシャドー)



 (斎藤一は、幕末の英傑の一人だ。新撰組の三剣士の一人。三船千鶴子はたしか、明治中期の超能力者。昔のホラー映画に題材にされてたよな……ワイアット・アープは映画では男として描かれているが、女だとはな。皆かなりのレベルだ。このレベルだとファイヤーグランドラインでも攻略組に即入れる戦力だな)



「申し訳ありませんが、私が皆様を召喚したのでは無いのです。誰が、何の為に、皆様をこのナイアス大陸に召喚したのかわからないのです」

 エレクトラは申し訳なさそうな顔をする。とても素直な人だとカズキは思った。自分とは大違いだ。



「……とにかく、俺達が今いるこの世界のことを詳しく聞かせてくれ。状況がわからなければ動きようがないからな」

 斉藤一は頭の切り替えも早いようだ。でなければ戊辰戦争を潜り抜ける事は出来なかったのだろう。



「……そうだな、とりあえず情報が必要だ」

 ワイアットも御船千鶴子も同意見だ。



「では場所を移してご説明いたします」




◆◇◆




 ナイアス大陸東方地域の南方にカームという中規模の街がある。ここはナイアス大陸南方地域のゴドラタン帝国との間で交易を行い発展して来た街だ。東方地域の特産果物の集積地で、ここから南方地域に交易出荷されていく。そのかわりゴドラタン帝国からは海産物などが逆に入ってきて、東方地域全土に向けて供給されて行く。東方地域の各街は、すべてが城塞都市で独立した自治を行なっている。宗主国のブランデン王国はあるが、各城塞都市には睨みがきかない。日本でいうところの戦国時代の様相だった。各城塞都市が独自の軍隊を持ち、小競り合いが絶えない。ヒロトはゴドラタン帝国の交易商人の身分証を見せて、カームの街に入っていった。



「さてと……まずは腹ごしらえだな……そして奴を探す」



 ヒロトは賑わいのある酒場を探して入った。ある程度の客がいないと情報が手に入らないからだ。扉を潜ると、冒険者風の男達が、娼婦と昼間から酒を呑んでいる。大体、この世界の酒場の二階は宿屋で、娼館から客目当ての女達がたむろしていた。こんな場所だからこそ荒事の得意な連中があつまり、情報も入ってくる。

 ヒロトはそんな連中の間を通り抜けて真っ直ぐにカウンターに向かい腰を下ろした。



「親父さん、エールをくれ」

 そう言ってゴドラタン銅貨を三枚カウンターに置く。



「……見かけない顔だな……お前さんみたいな若いのが来る場所じゃないぜ……一杯のんだら、直ぐに出ていった方が身のためだ」

 酒屋の親父はヒロトにエールを差し出して、小声で言う。



「人を探してるんだ、あんたぐらいの背丈で、癖のある栗毛、腰にアリストラスが製造している銃を下げている」



「銃士だと? そんな奴がいればさっさと殺されているか、何処ぞの軍に入っているかだが……そいつの名は? 」

 親父は身を乗り出して聞く。



「その男の名は、ビリー・ザ・キッド」







【新たなる召喚 参】をお送りしました。


(映画 リングを、観ながら)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 4人ともレベル高いですね〜。強そうでかっこいいです♪ まあ、実際強い訳ですが(笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ