182 インターバル 弐
【インターバル 弐】をお送りします。
宜しくお願い致します。
「武蔵さま〜! 待ってくださいよ〜! 」
【黒龍の軍】との戦いの後、アリストラス皇國軍は、パルミナ国境警備軍の駐屯地に幕舎を建てて、野営する事となった。
そんな中、ライラ団長が雲隠れした武蔵を探している。夕飯を一緒にしたいと、大量の食料と酒を武蔵の幕舎に持ち込んで、当の本人に逃げられたのだ。
「せっかく、武蔵様と再会する日を夢見て、セクシーな紐パンを履いていますのに〜! どこですの〜! 」
そう言いながら幕舎を出て探しに行くライラを、ベットの下に隠れた武蔵が息を殺しながらやり過ごす。
「……行ったか? 」
「武蔵殿! 」
「ぎゃぁあ!?? うぐぐ! 」
急に声をかけられ、叫びかけた口を自らの手で押さえ込んで、声をかけて来た相手を見る。
「なんだ、総司か! 脅かすな! 」
「何で隠れるのです? 一緒に食べればいいのに」
「武芸の修行中に、女人と飯など食えるか! 」
「時代遅れだな〜。流行りませんよ」
「流行り廃りでは無い! 美学の問題だ! 」
「私は美学より、色恋の方がいいですけどね。ライラ団長って可愛いじゃないですか! 健気だし。いいと思いますよ」
二人してベット下から這い出て、総司が埃を払いながら、そんな事を言う。
「……お前はライラ殿の恐ろしさがわかって無いから、そんな呑気な事を言うのだ」
「恐ろしさ?? 」
「ライラ殿と飯など食べれば、必ずああなる……考えるだけで恐ろし……」
まさか武蔵が心底震えている。
「一体、なにが?! 」
話しが長くなってしまい、遂にライラに見つかってしまった。武蔵は石の様に固まってしまっている。
「やっと捕まえましたわ! あら、総司様もいらしたの? 」
「今晩わ! お邪魔ですかね? 」
総司は、ばつが悪そうにしている。
「大歓迎ですわ! 総司様もご一緒しましょう! 」
そう言ってテキパキと食材を並べて取り分けてゆく。とても野営地の幕舎で食べる料理に見えない。高級な料理屋みたいだった。
「凄いですね! こんなお料理、京の祇園でも中々みられませんよ!! 沢山あるし、ヒロトや九郎にも食べさせてやりましょうよ! 」
総司がそう提案した途端、武蔵の顔色が青ざめて、小声で、
『やめとけ〜! やめとけ〜! 』と言うのだけど、声が小さ過ぎて、総司の耳に届かない。結局、ヒロト、九郎、そして斎藤やワイアット、千鶴子も呼んで皆でテーブルを囲む事となった。人数が多くなったので、ライラが自分の幕舎から、さらに食材を持ってきた。
「これをライラちゃん、一人で作ったの? すげ〜な!! 」
九郎が心底関心している。斎藤にしても、ワイアットにしても、こんなに洗練された料理を見たのは初めてだったので、珍しく興奮している。
「お酒は行き渡りましたですか〜?! では乾杯しましょう! 」
「乾杯!!! 」
和気藹々と乾杯した中で、武蔵だけでなく、千鶴子まで顔を青ざめて、ちょっと私、急用を思い出しとかで、幕舎から逃げる様に出て行った。
「頂きま〜す!! 」
声をハモリながら、九郎と斎藤が目の前にあった大きなソーセージにかぶりついた。勢い良くかぶりつき、もぐもぐとソーセージの肉を噛み砕いていると、段々顔色が青くなり、やがて土色になり、そして紫色になった……二人とも口から魂が出かかっている……
「なんだ二人とも、そんなに美味いのか?! よし! 俺も! 」
そう言ってワイアットも目の前の七面鳥の丸焼きにかぶりついた…………かぶりついて、口をもぐもぐさせて、飲み込んだ瞬間、目の前にお花畑が広がって見えた!
「そんな幸せそうな顔をするぐらい美味いのか!? どれ! 」
そんな事を言いながら、ヒロトと総司が、目の前の野菜スープを一口、二口と飲んでみる……その瞬間、ズギューンン!!っと頭の何処かで凄じい音が響き渡り、目の前に三途の川が広がった!
不味いってもんじゃ無ねぇぇえええ!!!!!!
叫びたいけど、喉が痺れて声も出なぃぃいいい!!!!!!
不味過ぎて、嘔吐も出ないぃぃいいいい!!!!
腰が砕け、武蔵以外全員が地面に這いつくばり、何とか助けを呼ぼうと幕舎の出口に、はって行こうとした。が、その前に仁王立でライラがそれを邪魔する!
「ヒック!! おまんら〜、何処に行く?! ヒック! 」
乾杯して、一杯呑んだだけで、凄まじく出来上がっている!
「さあ! まだまだ料理もあるし、もっと呑め〜!! 」
そう言いながら、バシバシとヒロトの頭を叩き出した。
「俺のお酒様が、呑めね〜ってのか!!! そんな奴らはこうだ!!! 」
その瞬間、脱兎の如く武蔵が幕舎の出口に向かって走った!
光輝くライラの右手、
逃げようともがくが、
ドカカカカカカンンンンンンン!!!!!
爆裂した!
「……あらあら、やっぱり未来予知通りになっちゃいましたね。南無阿弥陀、南無阿弥陀」
千鶴子が爆裂した幕舎に向かって手を合わせた。
【インターバル 弐】をお送りしました。
(映画【メリーポピンズ)を観ながら)
「そこのあんた! そう! そこのあんたよ! 私の事いつも見てるんでしょう?! そんなに私のパンツが見たいの?? そこに跪きなさい! 少しだけなら見せてあげるわ! ほら! これで満足?! 変態さんね! そのかわりそこのボタンを押しなさい! そうそこよ! ブックマーク! あっ! そんな強く押したら、私……あぅ! 」




