表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/153

181 インターバル 壱

【インターバル 壱】を投稿いたします。


宜しくお願い致します。

 激しさを増す雨を目眩しにして、その騎馬の軍団が疾走する。


 長く伸び切った【黒龍の軍】の本体後方に喰らいつく為だ。


 だが違和感もある。この軍の指揮官が、こんなミスを犯すのか? 織田上総介信長とは、その程度の男か?? いや、所詮人間は不完全だ。間違いも犯すだろう……



「敵後方の歩兵部隊を切り崩して、反応をみる! 全騎突撃体制!! 」

 五千機の騎馬の怒涛の疾走が、敵歩兵部隊に襲いかかった。

 凄じい戦闘力で、歩兵を薙ぎ倒して進む! 騎兵の大半が、【災厄の渦】を経験し乗り越えた猛者共だった。

 後方で始まった異変を感知した信長は、口元に笑みを浮かべ、



「ビリー! やはり来たぞ。儂の言うた通りであろう? 」

 ビリーはそう言う信長の眼をみて戦慄を覚える。何処まで読んでいるのか?


「貴様の、銃撃部隊で対処せよ。そうだな、三段構えだ」


「わかっている。中間まで誘い込んでな……」

 そう言ってビリーも配置についた。




 騎馬隊五千機が、突き進む。

 だが先頭を走る美影身は、やはり違和感があった。容易い……いや、容易過ぎる……


「いかん! 罠だ! ここは狩場だ! 軍を左右に分ける! ジレ、左を指揮しろ! 集合場所は分かっているな! 」

 騎馬隊を左右に半数づつ分けて、逃走にかかる。




「気付きやがった! 銃撃隊一段目撃て!!! 」

 ビリーが歩兵部隊を退けて、銃撃部隊の横列を敵騎馬の全面におしだして、一斉射撃を行った!


ズガガガガガガガガンンンンンンン!!!!!


 その時、ビリーと美影身の眼が合った。ビリーはライフルの銃口を一瞬外してしまった。

 (あいつ?! 戻っていたのか? )

 美影身の指示で、各騎馬は散開して、凄じい勢いで散っていく。隊列を組むより、散り散りに逃げる方が、助かる確率が上がるからだ。




「貴様が仕損じるとはな……それほどの者か? 」

 信長は嬉しそうだ。


「ああ、あいつに騎馬隊を扱わせたら、世界でも五指には、入るだろうぜ」



「それほどにか……何者だ?! 」



「源九郎判官義経」



「ほう〜、あの? ……面白い。楽しみが増えたのう〜」



「あんまり驚かないんだなや〜」



「エルファンの王の素性を聞く前なら、驚いたがの……凱旋するぞ! 」

 そうして、【黒龍の軍】は悠々とブランデン連合軍駐屯地に凱旋して見せた。




◆◇◆




 アリストラス皇國軍、黒豹騎士団は野営準備に入った。ヒロトがある男を待つ為だ。

 その男は夜半過ぎに騎馬部隊と共に到着した。まだ雨の降りしきる中、男は気にした風も無く、真っ直ぐに将軍がいるであろう幕舎の前で止まった。


「九郎、奴らは大変だったろ? 」

 ヒロトが労いの言葉をかける。



「あんな奴だと知っていたら、もう少しやり方が変わったんだがな。あれは何だ? 」



「あれは千五百年代から来た、戦国の魔王だよ。世界で初めて銃撃による戦法を編み出した天才だ。俺の銃士隊は、奴の受け売りだよ」

 


「ビリーを見かけたよ。あいつ本当に向こうについたのか? 」



「わからない……なんか、訳がある様なんだが……」



「兎に角、無事で良かったな」

 九郎が後から背中を叩かれて、ギョッとした。気配がわからなかった。


「おっさん! 気配を消して近づくなよな! 斬っちまうぞ! 」



「おっさん言うな! 総司も元気そうだな! 」

 今度は総司の背中をバシバシ叩きだした。



「痛いですよ! 貴方もお元気そうで! 」

 そんな総司と大男のやりとりをみて、斎藤が、



「何者だ、その変なおっさんは! 」

 今度は総司がギョッとして、手振り身振りで、斎藤に何かを伝え様とするが、意味が通じない。


「ほほっ〜う! おっさんだけでなく、変なを付けるかよ」



「そのおっさんを、おっさん呼ばわり出来るのは、世界でも選ばれた者だけだぞ! 」

 二人から詰められた挙句、名前を聞かずに喧嘩を売って、コテンパンに叩きのめされる羽目になった斎藤は、後から二人の名前を聞いて、もう一度気を失った。


 


【インターバル 壱】をお送りしました。


(映画【スティグマ】を観ながら)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ