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178 混沌の始まり (改訂-1)

【混沌の始まり】をお送りします。


宜しくお願いします。

 ロードグランデ大迷宮の入り口にキャンプをして二日目に、二人の東堂は合流する事となった。男は捕まえた兎の皮を剥いで、肉を串に刺してゆく。災厄の渦が終わってから、この地域から妖魔の姿は消え、滅多に出て来ない。


「ほら、焼けたぞ! 」

 スレイン・東堂・マッカートニーは、腹違いの妹、東堂詩織に兎の串焼きを差し出す。



「気持ち悪いな兄上、そんな性格だったか? 」

 ラボに籠って奇妙な機械ばかり作っている兄の姿しか思い描けないのだ。



「たまにはいいだろ? ここにはラボも無いしな」



「仮のラボはあるのだろ? 」

 その妹の問いには答えず、新しい串を焚火の周りに刺してゆく。

 

「そんな事はいいが、【風見鶏】はどうなんだ? 」



「追跡はしている。兄上が言う様な、迷宮探索は奴と合流してからだな。どうやらヒロトとか言う民間人と共に、現地住民の国の軍と行動している様だ。近く大きな戦がある」



「カズキは現地の争いに参戦しているのか? 」



「奴は面白い事ならすぐに首を突っ込む。悪い癖だ。我らの目的は現地世界の地形調査と、現地人の勢力、戦力、政治体制などなどの情報を集めて帰還する事だ。無駄な争いには極力参加したく無いが、放っておく訳にも行くまいな……」



「千場慶次も一緒か? 」



「近くには居るようだ。奴らの目的はわからないが……どうせ碌な事じゃなかろうな」

 兎肉を頬張りながら、明らかに嫌な顔をする。



「ミカエラは少し離れた場所だな。ワールドマップに表示はされている。何故この世界でサテライトシステムが使えるんだ?? 」



「それは【ファイヤーグランドライン】の世界から、相転移したからだな。みなステータスはリンクされているし、システム自体も使用可能だ」



「で? どうすんだ? 」



「我らが部隊は【風見鶏】と合流するさ。兄上は好きにすればいい」



「つれない事言うなよ〜。俺たちもついて行くさ。街に行くんだろ? 行軍用レーションにも飽きた。食料はどうすんだ? 」



「街に行くさ。この世界の貨幣は行軍中に近隣の村で確保済みだ」



「略奪したのか? 」

 スレインは天を仰ぐ仕草をする。



「平和的に提供して頂いたんだよ。人聞きの悪い事を言うな! 」



「……その時の光景が目に浮かぶよ……」

 妹の詩織は昔から、そう言う事には躊躇が無い。自分の理屈が最優先で、それに反する事に関しては平気で排除する。体制側に立っている分にはいいが、反社の側に立てば何をするか、考えるだけで恐ろしい。




◆◇◆




 パルミナ国境警備隊と合流した黒豹騎士団は、さらに西に向かう。広い草原を渡り、森林地帯が見えて来たところで、行軍速度を緩めた。



「送り狼をだせ! もう近いぞ! 」

 ライラ団長の指示で、騎馬の偵察隊が森林地帯に入って行く。



「何だ? あの音は? 」

 ライラの耳には、聞き慣れない音色が飛び込んでくる。



「法螺貝だ」

 総司と斎藤一は、直ぐにピンと来た。戦国の軍が進軍時に使う先触れだ。すると森林地帯から、大量の歩兵部隊が踊り出て来た。



「全軍、戦闘態勢!! 紡錘陣形をとれ! 先頭に騎馬隊、中間に銃士隊、後方に歩兵隊! 」

 直ぐにヒロトが指示を飛ばす。【災厄の渦】を乗り越えた兵士達の行動は速かった。



「千鶴子! 何か見えるか? 」

 ヒロトより呼びかけられた、御船千鶴子は眼を閉じて意識を虚空に飛ばす。



「……軍を二つに分けています。もう一方はすでに森林地帯を東進! 」

 目の前の軍は、ヒロトの戦略戦術マップに表示されている。だが東進した軍は表示されていない。


「【巫女の軍】は索敵魔法に探知されないと言う事か。ならば、奴らも我らが見えていない? 」

 そうこうしながら、ヒロトは戦闘態勢を整え終わっていた。



「敵中央に全軍突撃! 横に伸びた敵軍を真っ二つにする! 騎馬隊! 穴をあけろ! 」

 その号令と共に、黒豹騎士団の騎馬隊が突撃をかける!


【混沌の始まり】をお送りしました。


(映画【夜叉】を、観ながら)

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