表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/149

高柳義孝②

【高柳義孝③】をお送りします。


宜しくお願い致します。

「前鬼、後鬼だと?? 馬鹿な、その鬼は、我ら土御門の始祖が従えた鬼神だ。なぜ貴様が召喚できる?? 」

 義孝は、混乱した。その鬼は、かつて始祖である安倍晴明が自らの盾として使用した式神の筈……



「ほぅ? 前鬼と後鬼を従えた者がおるのか? 多少は呪力の扱いを理解する者も現れたという事かの……前鬼と後鬼は、我が地獄界より連れてきた鬼子よ」



「連れて来ただと……貴様は、ひょっとして……」



「ほう? 我を知る者もおるかよ」



「?! 俺の思考を読んだのか……役行者、役小角(エンノオヅヌ)……そんな事があり得るのか?? 」


役小角、葛城流加茂氏を祖とする三輪一族の太祖。飛鳥時代の妖術師である。大陸から渡来した神仙術と、日本古来の呪術体系を融合させ、金剛蔵王権現を感得し、【修験道】を完成させた。陰陽の極意を加茂一族に伝授したとされる。


「貴様の考えは正しい。貴様らの陰陽は、我が加茂一族に伝えたモノよ。だがそこから大きく発展した様だの」



「何故です? 貴方は何故?? 」



「何故甦り、何故この様な事を行なっておるのか? か? ふん、呪いじゃ」


「呪い?? 呪いの力に強制されているのですか? 」


「悔しいがの。我の呪力に強制を施す程の力。まさに呪いよ。よもやそんな力があろうとはな、だが必ず奴は、我が殺してやるわ……が、今は貴様らよ。この都を灰にせねばならぬ」

 その言葉と同時に、役小角の妖気が膨れ上がった! 前鬼と後鬼が高柳に襲いかかる。



「やむおえん!! 邪神即滅! 厭魅斬り!! 」

 腰の太刀に手を添えて、呪力を載せた神速の抜刀!!

 前鬼の胴を横から真っ二つにし、その刃を、下から後鬼を斬り上げる!


「なんと!? 」

 高柳はその手応えの無さに即反応した。直感的に後方へ飛んだのだ。数瞬まで自らが居た場所が消し飛ぶ!


「飛燕をかわすとは、いやはや素晴らしい」

 その言葉に合わせて、前鬼と後鬼が、高柳を追撃する。


「貴様のその身体能力、呪力を太刀に纏わせる刀法、誠に見事なりや。この世界に甦ったかいがあったわ」

 前鬼と、後鬼の追撃をかわす高柳をみて、しんそこ関心した。


「そりゃどうも。亡者に褒められても嬉しくないがな」

 だが余裕はあまり無かった。手数でなんとか凌いでいるが、一つ間違えれは、即終わりだと理解している。懐から人形(ヒトガタ)を取り出して空に放つ。その紙が巨大な三匹の獅子となって、前鬼、後鬼に襲いかかる。



「面白い式神だの。簡略化された術式か? だが惜しいな……」

 役小角の瞳に、紅い光が灯った瞬間、高柳の放った式神は、炸裂し、消滅した!



「な?! 何をした?? 」



「なぁ〜に、大した事はしてはおらぬ。貴様と式の線を切っただけだ」

 役小角は、白い髭を撫でながら面白そうに笑をこぼす。



【高柳義孝③】をお送りしました。、


(映画【インターステラ】を観ながら)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ