超帝国の残滓 ⑩
【超帝国の残滓⑩】をお送りします。
宜しくお願い致します。
「超帝国皇帝が死んだ場合に【巫女】から女王を選抜し、次代の皇帝が生まれるまでの中継ぎを行う為の継承システム……それが【マルドゥクの壺】と呼ばれる超帝国のプログラムです。ですが、もっとも超帝国皇帝に近いヒロトがこの場に居る。貴方の封印された記憶解放が引き金となって、超帝国のシステムが発動し始めています。【マルドゥク争奪戦】は、その意味を無くしました」
エレクトラの表情はすぐれない。
「……だが、エラーが存在する」
「そう……【神巫】達が、暴走を始めています。彼等はシステムに造反し、自らシステムの支配者になる事を欲している。そして」
「【偽神】か……」
「はい。偽神と同化した【天草四郎時貞】も止めなければなりません。いま【巫女】同士で、争う場合では無くなりました」
いつの間にか、皆が周りに集まっていた。
「聞いての通りだ。俺たちのやるべき事が見えて来た。アヴァロンに戻って直ぐに向かう」
「何処に? 」
ワイアットも起き上がりながらヒロトを見つめる。
「帝都京都に! 」
◆◇◆◇◆
「この四門結界が崩壊するだと? なんなのだアレは? そんな事が出来る存在はなんだ?? 」
帝都御所に程近い、土御門家が管理する陰陽結界管理センターの、オペレーションルームで、陰陽頭は、信じられない光景を目の当たりにした。歴史上、この結界が崩壊したのは二度ある。一度目は、平安の都を脅かした穢れ【闇の魔】、そして二度目は、外道陰陽師【蘆屋道満】が起こした陰陽の乱。それから千年間、この結界は破られていなかった。
「……逆位魔法陣か……」
高柳参謀長は、扇子で顎の下を押さえながら思案する。
「まさか? 呪力を相殺したと言うのか? たかが屍人の軍に、そんな事が可能か?? 」
「やはり、あの軍を動かしている存在の中に、呪力を熟知した者がいる」
「お主が見たと言う全身鎧の者以外にも、何かが居ると言う事か? 」
確かにいくつかの巨大な呪力、魔力と呼べる超常の力を感じる。
「外堀の結界が破れた以上、我ら土御門が止めるしかあるまい。全ての陰陽師は、戦闘服着用、第1種警戒体制! やつら、直ぐに来るぞ!! 」
「米軍と自衛軍の混成部隊の配置完了。敵は八坂に布陣しています」
「陰陽頭、宜しいですね? 」
高柳は、最後の確認を行う。
「あぁ、帝は、九州じゃ、思う存分やれ! 」
「承知です。【プロミネンス】の使用許可を! 」
【超帝国の残滓⑩】をお送りしました。
(映画【死国】を観ながら)




