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253 明日に向かって撃て

【朝に向かって撃て】をお送りします。


宜しくお願い致します。

 左右から同時に突入する魔力矢は、電磁結界(バリア)を貫通し、クローディアに命中する軌道を走る! だがクローディアは、神速の動きで、左右の矢を手で握り潰した、かに見えたが、その矢が忽然と消えた! その矢が、クローディアの眉間と、後頭部に突き刺さった! かに見えたが、あと5mmという所で、矢は不可視の障壁に遮られ、そこで運動を停止した。



「なん?! 妖弓矢が貫通しない?! 馬鹿な、どんな魔力障壁でも貫通する矢だぞ?! 」

 さらにヨシアは二連射したが、今度は矢が加速する前に粉砕されてしまった。



「私の障壁は、この世界の物理方程式に左右されません……電磁結界(バリア)が貫通したのは、驚嘆しましたが」

 クローディアの左手刀が貫いた、ヨシアの腹部から、腕を抜き取り、その血を地面に降り注ぐ。



「くぅ! ヨシアまで、?! 」

 フェルミナが絶望しそうになったその瞬間、クローディアの腕を掴んだその男は、



「よくもやってくれたな!! 消し飛べ!! 」

 グラウスは、クローディアの身体を片手で空に振り上げ、凄じい威力で真上に投げ飛ばした。そのクローディアに目掛けて左腕に持った手帖から、取り出したパンドラの箱を構えて一言、



「絶望!! 」

 手帳を開いたところに浮かぶ小さな箱の蓋が開き、ドス黒い霊的なエネルギー体が、クローディアに無数の触手の様に巻きつき、その小さな箱の中に引き込もうとする。



「この術式は、先ほど体験済みです」

 クローディアは、また術式に干渉する為の方程式を展開する。だが差し込まれた方程式が途中で崩壊した。



「?! 干渉出来ない?? 」



「これは、魔導の類では無い。ギリシャ神話において、神ウラノスが人間に災いを与える為に創り出した人造人間パンドーラ。そのパンドーラが使った神々の箱。その箱からは、有りとあらゆる災厄が出現した。神罰の力だ」

 更に拘束の力を強めてゆく。



「引き込まれて、絶望の奈落に堕ちるがいい!! 」

 クローディアのスケールが小さくなり、更に小さな箱へと吸い込まれて行った。そっとその箱の蓋を閉めて、さらに黒皮の手帖のページを閉じる。








「封印されてしまったぞ? 大丈夫なのか? 」

 流石に信長も呆気に取られた。あの機械人形を、簡単に捉え封印したグラウス皇帝の力量にだ。



「問題ありません。次元封鎖空間からの脱出は可能です。ただし、如何にクローディアでも多少の時間がかかります。ですので、殿は予定通りにご準備を」

 そう言いつつ、スレインは端末を操作し、ハヌマーンに指令コマンドを凄じい速さで入力してゆく。



「……で、あるか。ならば良し。ならば行くかの〜」

 そう言いつつ、織田上総介信長は、立ち上がり踵を返したのと、ハヌマーンが再起動したのは、ほぼ同時だった。






 ハヌマーン三機が、一斉に動き出し、一体がロードス島の巨人の背中に飛びつき、その六本の足を身体に巻き付かせたその瞬間、時が止まった様な感覚に襲われた、



「いかん! フェルミナ! 防御しろ!! 」

 グラウスが叫ぶと同時に、ハヌマーンは自爆した!

 スレインが搭載した反物質ドライブが暴走し、臨界点を越え、その凄じい圧縮エネルギーが炸裂した!!!

趙高熱の爆風が、密林を焼き払い、世界を紅く染め上げた。






「?! なぜ? 私は助かったのか?? 」

 フェルミナ自身が発動させた対物理障壁では、防げなかった筈だ。その障壁のさらに外側に、別の障壁が展開されていた。



「ヒロトか?! 」



「遅くなりました! 」

 天空から、音もなく着地したヒロトは、直ぐに索敵を行い、天空に居る彼女に叫ぶ、



「敵は移動した! ジャンヌ、後を頼む! 」

 ヒロトの言葉より早く、詠唱に入ったジャンヌは、その身の神霊力を増大させてゆく。



「召喚者のジャンヌ・ダルク?! なんと凄じい神霊力だ?! 皆の傷が回復する?? エルトリア?! 」

 フェルミナは信じられないものを見た。死んだ筈の皆が、心臓を潰された皆が、回復してゆく!! 



「もう、大丈夫だから。皆、少し休めば動ける様になるわ 」

 ジャンヌは、そうフェルミナに伝えて、さらに他の負傷者の治療を始める。




「ヒロト!! 奴らが、アヴァロンに! 」

 グラウスはヒロトと共に既に走り出していた。ハヌマーン一機は自爆したが、残りニ機は、大空洞に向かった。そして、織田信長の気配も移動している。




 

【明日に向かって撃て】をお送りしました。


(映画【アウトロー】を観ながら)

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