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鍵士無双  作者: キャットフード安倍
第三部・ゲート探索(仮)編
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ズヴェーデン地下迷宮①

 ズヴェーデン山地の地下に広がる大迷宮に入ってからどれだけの月日が流れただろうか。


 すでに時間の概念はなくなっている。太陽は偉大だ。その恩恵もここまで届くことはない。


 地上はどうなっているだろうか。帝国と戦になっても負けることはない。すでにモントロー公国の一地方になっているかもしれないな。





 この迷宮は上層と下層に分かれている。というか勝手に分けた。


 千里眼で見ることの出来る所が上層、黒い靄がかかっているところが下層である。


 通常のダンジョンでは下へ降りるほど敵は強くなる。だがここは下層より上層の魔物のほうが手強かった。もっともここはダンジョンではないのだが。


 上層の最深部は地龍のねぐらになっていたほどである。そのなかには金色に輝く龍が混じっていた。


 金龍を仕留めようとしたところ、そいつはサクラとそっくりな人の姿に変化へんげすると地面に吸い込まれるように下層へと降りて行った。


 この迷宮の底にサクラの本体が封じられているのはもはや疑う余地はないだろう。


 そして俺たちは下層へと足を踏み入れた。





 下層に入ってしばらくするとサクラは体調不良を訴え始めた。初めは体が怠い程度のものだったがそれは下へ降りるほど悪化してゆき、つい最近になって完全に眠りについた。サクラ本体に近づいているということだろうか。


 それ以来俺は一人で暗闇の中を彷徨っている。


 文字通り生活魔法の灯りを点けていない。というのも光を灯していると魔物が寄ってこないのだ。それでは非常に困る。


 下層は上層と違って岩肌がほんのりと発光するということがなく純然たる暗黒の世界である。


 魔物は一人ぼっちになってしまった俺にとってはペットであり食糧でもあるのだから。なによりスキルを奪えなくなってしまう。


 奪うという表現は正しくないかもしれない。移すといったところだろうか。その際にはマスターキーを使う。


 どうやるかというとアクセス(・・・・)するのである。鍵魔法を形にしたものがマスターキーなのだから当然使えるのだ。ひと頃のおれではアクセスを使ってもそんな芸当はできなかったが魔力コントロールが熟達した今ではなんということもない。


 スキルを奪うもとい移すといってもこれまで新たに得たスキルは一つだけである。


魔力視まりょくし」魔力を視覚情報に変換する


 これは下層に生息するとある生物が持っているスキルである。光源が全くない環境に適応するため手に入れたものだろう。この「魔力視」のおかげで灯りを点けなくても視ることができるのだ。


【ソージ・スズノキ】【人族】【16歳】【鍵士】

マスターキー」「鑑定」「生活魔法」「生活魔法EX」「火事場の馬鹿力」

「剣術」「影魔法」「金剛」「魔力視」「身体強化極」「身体制御極」「敏捷強化極」「魔力強化極」「魔力制御極」


 「----極」とはスキルを重ねていたらいつの間にか付いていたものだ。ちなみにこれ以上同じスキルを取り込むことは出来ない。 





 そういえば今日はまだ「魔力視」を頂いた連中に遭遇していない。


 普段はどこからともなく現れては襲い掛かってくるというのにどうしたのだろうか。


 などとフラグをたててみると奴らのご登場である。


 下層には人が棲んでいる。


 全裸だけど。



 


 



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