表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍵士無双  作者: キャットフード安倍
第二部・シュミット商業連合国編
60/85

肉体改造

 俺がこの世界に渡ってきたとき得たスキルは「マスターキー」「生活魔法」「鑑定」である。


 よくよく考えてみると酷いスキル構成であるが駆け出し冒険者時代と比べたらまだ良いほうだろうか。


 「鍵」は「鍵魔法」と大体同じことができる(もっとも当時はどんなものでも開けることのできる鍵程度の認識しかもっていなかった)が大部使い勝手が悪い。


 「鍵魔法」と違って、魔力で創り出した鍵を対象と接触させなければならないからだ。


 そして記憶を取り戻したことにより俺のスキルは「マスターキー」「生活魔法」に置き換わってしまった。正直なところ大幅な戦力ダウン感が否めない。





 「おい……、今まで人のことを生活魔法呼ばわりしてたのは何だったんだ……」


 「そ、それは許してくれよ。忘れてたんだしさ」


 「まあいいが……、しかしこれでは戦えないんじゃないか?」


 「スキルを移植すればいいんじゃね?俺たちみたいに」


 それは俺も考えていたことだ。だがスキルは厳選しなければならない。変なものを付けると人でなくなってしまう。


 「どうせなら身体中にいろいろ付けようぜ!左腕の「金剛」みたいにさ!」


 「とりあえず右腕だそうか」


 え?切り落とすってこと?そうなの?





 「施術終了、こんなもんかな……、気分はどうだ?」


 お前は医者かよ!だが切り落とさずに済んで助かった。どうやったのかというと「マスターキー」を使って右腕の肘から先を取り外したのだ。


 魔法は想像力によるところが大きい(と思う)。これまで「鍵魔法」を使って散々鍛えてきたのだからこれぐらい出来てもらわないと困る。


 まず空いていた三つ目のスキル枠にアクセスで制限を取っ払った「生活魔法EX」を覚えさせた。選んだ理由はもちろん空を飛びたいからである。もちろん「手加減」も手に入れた。いらないけど。そして他のマルボロたちも「生活魔法EX」を習得したようだ。動機は俺と同じだと思われる。


 右腕に仕込んだスキルは腕に一つ、手に一つ、指に五つである。覚えたスキルは順に「剣術」「影魔法」「身体強化」「身体制御」「敏捷強化」「魔力強化」「魔力制御」の七つである。


 「影魔法」はヘルマンの影法師から頂いた。他のスキルが有り触れたものばかりなのはレアなものがなかったというのもあるが、色物過ぎるスキルを覚えて人でなくなってしまうのが怖かったからである。


 「思ったんだけどさ、普通の生活魔法も制限外せば強くなるんじゃないか?」


 「でも、それやると「手加減」が二つになっちゃうんじゃ……」


 いらないのだが?


 「オンオフの切り替えが出来るから安心しろ」


 いや、そういう問題じゃない。


 「細かいこと気にするなよ、それじゃやるぞ」





 「え、ちょっ……まっ……」





 無事に「生活魔法」の強化は終わったが「手加減」が二つになることはなく「火事場の馬鹿力」というパッシブスキルに置き換わっていた。効果はスキル名通りだ。


 よくわからないがマイナス×マイナスがプラスになるのと同じようなものだろうか。他のマルボロたちでは理解できないだろう。俺も説明などできないが。


 何はともあれ出発の準備はすべて完了である。


 俺たちはテレーマ教国へ向けて飛び立った。

 


 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ