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鍵士無双  作者: キャットフード安倍
第一部・ローゼン王国編
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昇級試験①

 まだ眠い目を擦りながら身支度を整える。


 昨日はあまりの出来事に冒険者ギルドへ寄らずに帰宅してしまった。おかげでゴブリン討伐の報酬をもらいそびれてしまったのだ。


 ゴブリン討伐は常時依頼で五体につき銀貨一枚、1000ゴールドの報酬を受け取ることができる。数えてはいないが昨日はかなりの数を倒したので結構な額が手に入るだろう。


 「それにしてもリーナ可愛かったな。ゴブリンだけど」


 リーナとはあのゴブリンに付けた名前である。メスのゴブリンは通称ゴブリナと呼ばれるのでそこから名付けた。


 冒険者ギルドへの道すがら昨日のことを考えていた。


 「アンロック」の影響で杖がゴブリンになったのは間違いないだろう。ということはサクラもあの???を解除できれば人の姿になるということだろうか。


 これまでは相性の低いものには「アンロック」をしてこなかったが、これからはもっと積極的に使ってみてもいいかもしれない。さらなる実証実験が必要だろう。




 あれこれ考えているうちに冒険者ギルドへ到着した。


 受付のジェシカさんに精算をお願いする。胸は慎ましいが金髪碧眼の美人のお姉さんだ。


 「あ、マルボロくん、昨日はギルドへ顔を出さなかったから心配しちゃったじゃない」


 「すいません、疲れていたもので」


 「あら、薬草の精算かと思ったらついにゴブリンを倒せたのね、おめでとう。これでEランクへの昇級試験が受けられるけどどうする?」


 「やります!ジェシカさんのためにがんばります!」


 リーナも可愛かったけどジェシカさんはもっと可愛いのです。


 昇級試験は正午からとのことでそれまで時間を潰すために冒険者ギルドをあとにした。


 ゴブリン討伐で得た報酬は銀貨四枚に銅貨八枚、4800Gだった。手持ちの資金と合わせればサクラを購入した露店でもう一つ何か買えるだろう。




 集合時間よりもだいぶ早くギルドに戻ってきてしまった。結局あのお婆さんの露店は見つけることができなかった。返品するときは半額で買い取るとか言ってた気がするが。まあ返品する気はないけどね。


 正午になり一緒に試験を受ける冒険者が揃ったのでさっそく現地に移動する。


 試験はダンジョンの最下層にいるボスを倒すことだ。内容だけきくと難しそうだが、そのダンジョンはギルドの管理する初心者用のものでゴブリンしか生息していない。もちろんボスもゴブリンだ。


 今回は五人でダンジョン攻略をするようだ。自分以外の四人はPTを組んでおり男は一人だけのハーレム状態である。


 その男が話しかけてきた。


 「おい。お前のジョブは何だ?」


 「ん?そんなの何でもよくない?初対面の相手に訊くなんて失礼だと思うけど」


 「なんだと!俺は貴族だぞ!おい!こいつを鑑定しろ!」


 「は、はい。えー……不明です。鑑定がなんらかの方法で阻害されているようです」


 ステータスを「ロック」しておいて助かったな。「鍵士」だとばれていたらどれだけ馬鹿にされていたことか。これからも常に鍵をかけておこう。


 「くっ、平民風情が生意気な。おい!行くぞ!」


 男は捨て台詞を吐き一人でさっさと行ってしまった。


 「少年。主にかわって謝罪する。すまなかった」


 年長の騎士然とした女性がそういって頭を下げると三人は男のあとを追っていった。


 ハーレムPTだと思っていたが他の三名は貴族のボンボンの護衛かもしれないな。お坊ちゃんのわがままで冒険者登録させられたあげく昇級試験まで手伝わされているといったところだろうか。


 そんなことより騎士っぽいお姉さん可愛いな。

 


 


 


 


 


 


 


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